母校創立百周年記念誌「百年の風」
2010(平成22)年に母校創立百周年記念事業の一環として出版された百周年記念誌「百年の風」は、他校には類を見ない素晴らしい歴史資料です。完成するまでに5年の歳月がかかったとお聞きしています。百年誌の編集委員長として執筆、編集に携われた若杉さんのご了解をいただきましたので、この百年誌を拝読させていただき、今後、記事として、このコーナーで少しずつご紹介をさせていただきます。(高25期 廣瀬隆夫)
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神奈川新聞社の担当の方の話ですと、神奈川県知事室でも、これは、これまでの学校の記念誌と、ちと違うな、といった評判であったそうです。学校の記録資料が無いだけに、編集のみなさんの苦労も多かったと思いますね。それで、私が編集の方針をだすように、編集委員から云われて出したのが、次の事です。
「この学校はどのような学校であったのか。」
「また、どのような学校になろうとしているのか」
そのような視点から、ただの事実関係だけを記録したものではなく、その背景・経緯など、その時代にもどって考えて欲しい、ということでした。(高5期 若杉昭平氏 談)
【”あとがきー二つの山嶺”からの抜粋】
さて、そのようにして出来上がったこの学校の100年を眺めることによって、過去からどのような教育が行われてきたのか、この学校には時代の影響がどのようにあったのか、そして綿々と生徒に引き継がれてきたものは何であったのでしょうか、それは、今、どのような形で生かされているのでしょうか、もしかしたら「伝統」と呼べるもので、自分もその中にいるのではないのだろうか。そのようなことを考え知るのも、この百年誌がもつ大切な目的であるような気がします。
時代や世の中との結びつきを強く抱えている教育のある姿を、そしてあるべき姿を学校編に見てみましょう。そして、横須賀という、軍都としての街の中の学校がどう映ったのか、また、あるときは穏やかな三浦半島の地での学校として、生徒がそれぞれの時代に過ごした学校生活は、どのようなものであったのか、そのことを「朋友、明友編」が語っています。それらは、この地の光と陰が織り成す歴史のとおりでしたし、その姿と形は、少々時間がかかりましたが、間違いなくこの学校の百年誌に綴られました。
ある先輩から、このような言葉をいただきました。
「とうとう百年の峠に立って、中学、高校の二つの山嶺をご覧になれましたね」
うれしい言葉でした。
(「百年の風」編集委員会 委員長 高5期 若杉昭平)
【百年の風 目次】