▶童謡「めだかの学校」の作詞者の茶木滋さん(中15期)

先日、汐入の横須賀市民活動サポートセンター(のたろん)を訪れた際に、 童謡「めだかの学校」の作詞者である茶木滋(ちゃきしげる)さん(中15期)の生誕110年記念の特集展示を見かけましたのでご紹介いたします。茶木さんは、横須賀市出身で、第四中学校(横須賀中学校、現在の横須賀高校)の生徒だったそうです。横須賀の三笠公園に、めだかの学校の歌碑がありますのでご覧になった方も多いのではないかと思います。小田原など、日本の各地にもあるようです。1月5日は茶木滋さんの誕生日だそうです。(2020年12月3日 高34期 佐藤敦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/茶木滋
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2120/g_info/l100004005.html

(高23期 石渡 明美さん撮影)

 

【童謡「メダカの学校」誕生(特集展示パンフから転載 高25期 廣瀬)】

童認「メダカの学校」は昭和25年10月、 NHKからの「春らしくのんびりした明るい歌を」 という依頼を受けて作った作品で 、その誕生の地は荻窪用水が流れる小田原市郊外の荻窪地区と言われています。昭和20年、茶木滋さんは宝製薬㈱小田原工場に勤務、 8月12日頃から21年秋頃までは宮城野に疎開し住んでいました。

戦後間もない食糧難の頃ですので度々食料を求めて小田原市郊外の荻窪地区に買い出しに来ていたそうです。昭和21年の春の或る日、サツマイモの買い出しに長男の義夫君を連れ荻窪用水沿いを歩いている時でした。義夫君が突然、

「お父さん、めだかがいるよ」
「どれどれ」
(お父さんが見に来た時にはめだかは逃げてしまい、もういませんでした。)
「大きな声を出すから逃げてしまったんだよ」
「でも待っていようよ、また来るよ、ここはめだかの学校だもん」
(春の日差しを浴びて、小川の縁に腰を下ろして、小川をしばらく見つめあう親子。)

こんな、のどかな郊外の田園情景・親子の会話から「めだかの学校」ができました。出来上がった時にNHKは新進の作曲家として活躍していた「ラジオ歌謡」の作家陣であった中田喜直氏に作曲を依頼しました。そして昭和26年4月9日と10日、10時からのNHKラジオ番組で放送され、世の中に出ました。童謡「めだかの学校」の誕生です。

「めだかの学校」はこのようにNHKからの依頼で作られた作品ですが、経緯については色々な説がありますので紹介します。
・「私はこどもペンに友だちがいたからね。 私は雑誌社でもどこでも、じぶんで積極的にでかけていかないんだが、 NHKはハガキをよこしたので、乗り込んでさ、女性プロデューサ三浦葉子さんに初めてあった。それで作品を取り上げていただきありがとうございます、つきましては私は童謡を作るのが本職なんだ、よろしければ作らせて欲しいと言ってね。 じゃお願いします。 というんで、よしきたとねじり鉢巻きで書いたんだ」と。 (北川幸比古 「童謡詩集 『めだかの学校』について」、 茶木滋『茶木滋童盟詩集 めだかの学校』、 ㈱岩崎書店、1995.7.5)

・私の「めだかの学校」について言えば、 まず昭和25年10月頃、 NHKから放送のための作詞の依頼があり、 「よし!」 と私はハリキリ、 「なにを書こうか」と考えました。(茶木滋1992 (昭和47)年2月3日 「書簡」 池田小百合)

・昭和25年の秋、NHKラジオ子どもの歌番組の担当者より童謡の新作を依頼され、想を練るうち、敗戦の翌年における一体験に思いを止めて出来たのだと。(上笙一郎『日本倉認事典』東京堂出版、 2006)

・昭和25年NHKから童謡の作詞を依頼された茶木さんが、一晩で書き上げた。(「余録」『毎日新聞』平成10年11月3日)

    ▶童謡「めだかの学校」の作詞者の茶木滋さん(中15期)” に対して2件のコメントがあります。

    1. 上田 寛 より:

      「めだかの学校」の作詞者茶木滋さん(中15期)を偲んで、平成11年の「朋友」50号に同期の松本健一さんが一文を寄せられています。
      「98年11月彼の訃報を新聞で読んだ。彼の本名は茶木七郎右衛門で同じクラスの時もあった。整列では、極端のチビの私より2~3人右で痩せて色黒であった。あまり話をした覚えは無いが、名前が名前で顔も良く記憶している。(中略)誰かと夢中になって議論すると言うことも無かった。あの何となく超越した風貌は、数学や英語などに取り組む気はなかったのかもしれない。早生まれで私と同じ88歳であった。『めだかの学校』の茶木は、中学で同級生だったよ、というのは、私だけの自慢ではなかったと思う」

      1. 廣瀬隆夫 より:

        本名の茶木七郎右衛門というのは歴史を感じますね。茶木滋というペンネームは、お茶の木が茂るというシャレたものですね。

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