▶ぶらり散歩「大津で愛される”おりょうさん”」
坂本龍馬の妻のおりょうさんは、再婚して大津、米が浜通りなどに住んでいたようです。横須賀に嫁ぐ前は各地を転々とし、神奈川宿の料亭「田中家」でも働いていました。再婚した夫の西村松兵衛とは、この料亭で知り合ったという説もあるようです。「田中家」のHPには、器量の良い教養のある人で、当時は珍しかった月琴(げっきん)を奏でることができて、外国語も堪能で物怖じしない真っ直ぐな性格が、外国のお客様に評判だったと書かれています。おりょうさんは才気あふれる魅力のある女性だったのではないかと思います。1863(文久3)年創業の「田中家」は今でも同じ場所で営業を続けています。
https://www.tanakaya1863.co.jp/
大津駅には、「おりょうさん公園」があり、駅を降りると龍馬とおりょうさんが迎えてくれます。1906(明治39)年に66歳で亡くなり、駅の近くの浄土宗・信楽寺というお寺に葬られました。お墓参りに行きましたら、きれいにお花が手向けてありました。立派な墓石には、贈 正四位 坂本龍馬之妻 龍子之墓と刻んでありました。正四位は、たいへんに高い位です。「おりょうさん祭り」という催しもあるようです。おりょうさんは、波乱万丈、薄幸な人生を送りましたが、晩年は静かな横須賀で過ごすことができて、亡くなった後も大津の人たちに愛され続けています。大津に行きましたら、ぜひ、おりょうさんの史跡を訪ねてみてください。(2017年10月21日 高25期 廣瀬隆夫)