▶経済発展より大切なこと

近くに30年以上も通っている老舗の和菓子屋さんがあります。いつものように豆大福を包んでもらってお金を払おうとしましたら、90歳に近いおばあちゃんに、「袋が有料になりましたから、今度来るときには、袋を持ってきてくださいね」と言われました。

横高の文化祭のとき、紙をたくさん使うので、広告などの裏紙を使っていると、経済を学んでいた同級生に、「そんなことでは経済が発展しないよ。どんどん捨てて、新しい紙を買って経済を回さなければ世の中は良くならないよ」と言われました。今から50年くらい前の高度成長期の頃です。卒業してからも、その言葉にずっと違和感を持っていました。

「貧乏な人は、少ししかモノを持っていない人でなく、いくらでも欲しがって、どれだけあっても満足しない人のことだ」とウルグアイのムヒカ元大統領の言葉です。新しい紙をどんどん買うということは、まさに欲しいモノを無限に手に入れようとすることではないでしょうか。

プラスチック製レジ袋の有料化は、暮らしぶりを見直すきっかけです。おばあちゃんの言葉を聞いて、長年の違和感が解消されたような気がしました。(高25期 廣瀬隆夫)

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