▶光で回る不思議なラジオメーターの研究

昔、有楽町の東京交通会館に理科の実験装置などを売っている店がありました。狭い店には、ビーカーや顕微鏡、箔検電器などが雑多に置いてありました。務めていた会社が気象観測装置を作っていた関係で出入りしていました。(高25期 廣瀬隆夫)

店内を物色していますと、球体のガラスの中の羽が白熱電球に照らされてクルクルと回っている物体が目に止まりました。店員に聞くとラジオメーターだと教えてくれました。ラジオメーターは、空気を抜いたガラス球の中に表と裏を白と黒に塗った羽があり、光が当たると空気が対流して、その圧力差で回るというものでした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラジオメーター効果

この光の力の話は、夏目漱石の『三四郎』の中に、物理学者の野々宮さんの説明として出てきます。

「雲母か何かで、十六武蔵ぐらいの円盤を作って、水晶の糸で吊るして、真空のうちにおいて、円盤の面へ弧光灯(アークとう)の光を直角に当てると、この円盤が光に押されて動く」

十六武蔵とは、将棋のようなゲームで、それに使う丸い平べったい駒のことです。

この原理は、完全に解明できていないようですが、宇宙船を動かす太陽帆というものにも使われているということです。夢が膨らみますね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽帆

でんじろう先生のラジオメーターの解説の動画がありましたのでご紹介します。

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