▶差別のない世界「ズートピア」(高25期 廣瀬 隆夫)

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金曜ロードショーで、「ズートピア」というディズニー映画を観ました。子ども向けだと思っていましたが考えさせられる映画でした。(高25期 廣瀬隆夫)

ズートピアは、肉食動物も草食動物も仲良く暮らすことができる争いのない平和な世界、偏見や差別がない世界、誰でも努力すれば夢を実現できる世界を目指して作られた国です。市長はライオンハート、副市長はヒツジのドーンです。みんな仲良く暮らしていましたが、あるとき肉食動物が次々に行方不明になるという事件が発生します。事件の解決に立ち向かったのは、努力して警官になったウサギのジュディと詐欺師から立ち直ったキツネのニックです。ウサギなんかが警官になれるわけがない、キツネは嘘つきで信用できないなどという偏見と差別を乗り越えた勇敢な二匹です。

行方不明になった肉食動物は、凶暴になり檻に入れられていました。この事件をきっかけに、肉食動物には凶暴性が生物学的にDNAに組み込まれているから、草食動物と肉食動物が仲良く暮らすことなど所詮は無理なんだ、と副市長のドーンが訴えてライオンハートを市長の座から引きずり降ろして、自分が市長になります。

しかし、調査を進めると、副市長だったヒツジのドーンが肉食動物に薬物を与えて凶暴にさせた自作自演だったことが発覚します。ズートピアでは、9割が草食動物で、肉食動物はマイノリティだったのです。ドーンが多くの草食動物の世論を動かして、肉食動物を排除してズートピアを草食動物が支配する国にしようとしていたのです。

ジュディとニックは、ドーンの悪だくみをあばいて、ライオンハートを市長に復権させて、草食動物も肉食動物も仲良く暮らす、元のズートピアを取り戻すというお話です。

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この映画はアメリカで作られたものです。ご存知のようにアメリカ(だけではありませんが)では、長い間、人種差別が行われていました。黒人は牛馬のように売買され、バスでは黒人は後ろの決まった席にしか座ることが出来ませんでした。キング牧師の「私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である」という演説はあまりにも有名です。映画の後半で、草食動物と肉食動物が一緒に仲良くバスに乗っている場面があります。まさにズートピアは、この世界を実現しようとしたものです。

最後にウサギのジュディが演説でこんな話をします。

ズートピアなんて簡単に出来ないとあきらめてしまったり、やり方を間違ってしまうこともあるでしょう。でも、安心して!夢はきっと実現できる。みんな同じ動物として何も変わらないのだから。お互いのことをよく知り、お互いを認め合えば、きっとうまくいく。そうです。肉食であろうと草食であろうと種類は関係ありません。大きなゾウでもキツネでも仲良くなることを諦めないでほしい。互いの違いを知り、深く理解し認め合うことで、世界は今よりきっと良くなる。自分を知り、自分を見つめ、自分を変えることから全てが始まるのです。それは、私から、私たちみんなから始まるのです。

この夢は、まさにキング牧師が追い求めていた夢そのものです。でも差別はなくなるのでしょうか?差別をされている人たちを前にして言いにくいことですが、なくなるとは断言しにくいと思います。人類が地球に誕生して何十万年も経ちますが、様々な原因で、いまだに世界から悲しい戦争がなくならないのと同じ理由ではないかと思います。

だからこそ、 世の中をより良くするために、一人ひとりが考えて、差別のない戦争のない平和な世界を実現するという夢を追い求めていく必要があると私は思います。I think so,"Dr. King" said I have a dream.

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