▶思えば遠くへ 「2024年初夏の旅②」(高22期 加藤 麻貴子)

・5月13日(月)晴 09:30大分発ー11:10竹田市役所ー12:00阿蘇神社ー15:15熊本城ー18:00熊本

ホテルのドーミーインの朝食は美味しいのでしっかりと食べ熊本に向かいました。国道57号線を走り七瀬川上流のロックフィル工法の「ななせダム」で一休みし肥後街道の国道57号線を竹田市に向かいました。これが整備の行き届かない国道で進行方向に向かい右側からは木々が覆いかぶさり、左側は谷となりおまけにくねくねとしたカーブが続きます。所々に「早く国道の整備を!」という看板が建てられていました。暫く行くと急に空が開け、広い道路にでて竹田市役所に到着、それは日本風で屋根には鯱頂き大屋根の見事な建築でした。そして竹田を抜け、九重連山を遥か遠くに臨みながら阿蘇のカルデラ大地に入っていきました。

阿蘇神社にもお参りしました。創立は紀元前282年と伝えられ日本最古の神社です。神武天皇の孫神が祀られているとのこと、もう神話の世界です。楼門は威厳を持ち「日本三大楼門」の一つとも言われています。2016年の熊本地震で楼門や拝殿が倒壊する被害を受けましたが昨年暮れ復旧工事は完了したそうです。ぐるりと神社を巡ってみましたが、裏から見ても美しい家並でした。

阿蘇駅に隣接する道の駅で牛焼肉弁当でランチとし熊本に向かいました。市内に入っても熊本城はなかなか姿を見せません。間近になって天守閣は現れ、閉館すれすれで場内見学、1469年に築城され、安土桃山時代から江戸初期にかけて加藤清正、その後は細川氏が城主となり明治初期の西南戦争で天守を含む主な建物を焼失し再建するも、2016年の熊本地震の際に被災し只今修復中です。阿蘇山を抱える熊本は地震も多いのですが、そのたびに災害をものともせずに復興し、郷土や文化遺産への並々ならぬ愛があるのでしょう。

・5月14日(火)晴 07:00ホテル発ータクシーー07:32新熊本駅ー新幹線ー07:49新鹿児島中央駅着ー日豊本線ー09:40霧島神宮駅着ーバスー10:10霧島神宮着ー11:23神宮発ーバスー12:00国分着ー12:38国分発ー13:50新鹿児島中央駅着ー14:30鹿児島周遊バスー15:50新鹿児島駅ー18:00ドーミーイン熊本

早起きしてタクシーで新熊本駅に、運転手のおじさんに「熊本は元気ですね。」と声をかけると「熊本は73万都市になったと、阿蘇さんのお陰たい。TSMCが熊本を選んだのも阿蘇さんの良か水があるからね。琵琶湖の伏流水の3.2倍はあるけん、何層もの地下水の最深部の水をつかうけん、良かたい。」彼のいう阿蘇さんはけして山ではなく尊称の「さん」であると思いました。繫華街では観光客も多いのですが、地元の人たちも多くとても元気な地域だと思います。

新幹線で鹿児島へ行き、そこから日豊本線でガスを吐く桜島を眺めながら海沿いを進んで行きました。霧島神宮駅からはバスで神宮まで行きます。乗客の大半は台湾からの観光客のようでした。

階段を上がると杉林に囲まれた広い参道の遥か向こうに輝くようなお社の姿があり、近づくほどに金色と朱色の美しい社殿が現れてきました。6世紀の創建と言われ、高千穂峰は日本神話の天孫降臨の伝承地とされ日向三代にまつわる神々が祀られていて、境内には樹齢約800年の神木の杉が天を衝いておりました。バスや電車が2時間あるいは3時間に一本なのでゆっくりもできず11時23分発のバスを待っていると大阪から来た若者が「霧島神宮駅からの次の電車は4時過ぎになるらしいので、このバスで国分まで行き、そこで乗り換えたほうがいいですよ。」と教えてくれ、国分駅まで行くことにしました。12時ごろには着いたのですが、紆余曲折あって駅の窓口に行ったのは発車3分前。駅員さんは大急ぎで切符を発券してくれ、12時38分発の日豊本線の電車にギリギリで乗ることができました。

新鹿児島から14時30分発の観光周遊バスに乗車して鹿児島の町を巡り、80分の乗車で230円という格安の観光でした。駅に戻り、遅すぎるランチを中華で満たしたのですが、餃子がとても大きくぎっしりと中身が詰まっていました。

・5月15日(水)晴 09:00熊本出発ー内牧温泉街ー11:50大観峰ー阿蘇パノラマライ乙姫ー黒川ー草千里ー15:00阿蘇駅着 フェアフィールド泊

熊本市を後にし阿蘇くじゅう国立公園の自然を満喫しながらのドライブは快適で徳富蘇峰の命名の大観峰で外輪山に囲まれたカルデラ大地の畑や水田が眼下に広がります。その後はパノラマラインを抜けて阿蘇中岳に向かいました。牧場の馬はのんびりと歩き、牛が草を食んでいます。そして高校時代の修学旅行で訪れた草千里、その雄大さに感動したことを思い出しました。中岳ではつつじのミヤマキリシマが山肌を薄紫で覆っていました。残念ながらガスの発生が危険レベルに達していて火口に行くことはできませんでした。噴出するガスを見ると阿蘇は活火山なのだと改めて思いました。

ホテルに行く前に宮地駅近くのレストラン藤屋で遅いランチにハンバーグ定食とローストビーフ丼を二人でシェアしながら美味しく頂きました。創業1948年に惹かれて選んだ昭和の名残のある店で、やはり私たちにはこのような店が落ち着けます。

予約した阿蘇駅近くの「フェアフィールド・バイ・マリオット」に早めに到着、米国メリーランド州のマリオット・インターナショナル経営のホテルです。大浴場もレストランもありません。その代わりに1階に庭に面した広いダイニングルームがあり、併設のミニキッチンでは味噌汁や飲み物をセルフサービスで用意できます。そこで食事をしたり、読書などリラックスしたり宿泊客との交流もできます。風呂は隣の老舗温泉の「夢風呂」を使い、食事は近くのレストランや「道の駅」で調達するという具合です。「夢風呂」は地元のおばさんたちで賑わっており、温泉は居心地良くつい長くなってしまい、風呂からでたら6時過ぎで「道の駅」は閉店していたので近くのコンビニで夕食を調達することになりました。

・5月16日(木)晴 ホテルで一日過ごす フェアフィールド泊

朝食は頼んでおいたモーニングボックスをレセプションまで取りに行き、ダイニングで頂きました。そのボックスのパンやサラダは新鮮な食材を使った地元の業者の手になるもので、朝と昼の2回で食べられるくらい量もたっぷりでした。粉末の味噌汁は予想外に美味しく、コーヒーも飲み放題でした。
ホテルだけで完結するのでなく地元の業者とウィンウィンな関係で成り立つしホテル建設の初期投資も低く抑えられる新しいタイプのホテルだと思いました。東西の旅行客も多く宿泊していました。

この日は休養日、ホテルの部屋から阿蘇の山々や田園風景を眺めながらのんびりと過ごしました。夜は女子バレーボールの日本対トルコのゲームを観戦、フルセットの末に世界ランク1位のトルコに勝利して大喜びしました。本当に良く勝てたと思います。

    ▶思えば遠くへ 「2024年初夏の旅②」(高22期 加藤 麻貴子)” に対して1件のコメントがあります。

    1. 高22期 伴野 明 より:

      「阿蘇さんのお陰たい」この言葉が出るのが日本人です。山も川も海も、「自然と共に自分の存在がある」、私は富士山を見ると「あぁ、日本人で良かった」そう思います。

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