▶日本語教室 4月5月(高22期 加藤 麻貴子)

この4月から請われて日本語教室のお手伝いをすることになりました。毎週火曜日2時間、一つの教室の中での個人レッスンです。私は日本語教師の勉強をしたことがなく、聞こえてくる生徒さんと日本人のやり取りを聞くのはとても為になり、真似をしながらの手探り状態です。普段話している平易な日本語を日本語で教えるのは難しいと思います。
 
生徒さんの国籍は様々です。ネパール、メキシコ、インドネシア、フィリピン、ノルウェイ、USAにロシアの国から来た人たちです。日本語検定試験を目指している人、日本人の家族ともっと話せるようになりたいと思っている人などレベルも動機も様々で私はロシアのエカテリーナを毎週担当しています。日本語の会話の合間に「オーチンハラッショ(とても良い)」や「スパシーバ(ありがとう)」など言うと顔が綻び、彼女との距離が縮まってきたように思います。

彼女の夫もロシア人でYRP野比にある会社で働いており、一緒に参加しています。彼女は日本のアニメ「ワンピース」やアイドルグループ「ババババンビ」が大好きで、ロシアに居る時から独学で10年間日本語を勉強していました。それで今は日本語検定試験3級レベルの為のテキストを使っているのですが、難なくこなしていきます。

テキストだけではつまらないので絵本の「つるにょうぼう」を一緒に読み古い言い回しなどは説明しましたが凡そ理解できました。かなり頭が良さそうです。聞けばロシアでは大学で数学を専攻し、3年生まで在学していたものの諸事情で退学、結婚して来日しました。書くことにも興味があるということで先日は小学生の漢字練習帳を渡して宿題を出してみました。

そんな彼女ですが問題があります。無口なのです。何か質問をすると頷くか、首を横に振るばかりです。実力はあってもこれでは日本語のレベルは低く見られてしまい、コミュニケーションも取れません。これからの大きな課題です。

さて私は今も昔も国としてのロシアに良い印象を持っていません。最初自分の心持ちがどうなるか心配でしたが、「今、目の前にいる」一人の人間エカテリーナの日本語習得に一役買おうという気持ちになっています。

    ▶日本語教室 4月5月(高22期 加藤 麻貴子)” に対して5件のコメントがあります。

    1. 高22期 伴野 明 より:

      日本に居て、日本語の教師として、外国人に日本語を教えるとは、あまり想定出来ないお立場ですね。日本マンガの影響が大きいようで、外国人は世界中どことも違う日本の文化に、たいへん興味を持っているようです。
      さて、文末に「今も昔も国としてのロシアに良い印象を持っていません」とありました。
      実は私も3~4年前までは同様でした。今は違います。ほぼ逆転しています。
      せっかくですので、ロシアの生徒さんに、その件で意見をお聞きしたらどうでしょうか?
      私は浅学故、詳しくは述べられませんが、少なくとも「ソ連とロシアは違う」ことはお確かめになったらどうでしょうか?
      論客の友人と政治話になったとき、彼は「北方領土問題」が必ず最初に来て、一切話になりません。しかしそれを言うなら、世界中どこでも、チンギスハーンの時代から、欧州、米国でも醜い実話はいくらでもあります。お互いの言い分を公平に話し合うべきと思います。

    2. 高橋克己 より:

      外国人に日本語教えるとは対訳(大役の誤変換)ですね。辛うじて用が足せるレベルから、意思の疎通が図れるレベル、そして日本語検定までレベルがばらつくとなれば殊更です。
      私の外国語は英語がほぼ読めるだけで、書く・話す、聞くのは順を追うに連れNGになっていきます。台湾にいたのに北京語も、買物・食事・ゴルフができる程度のことしか判りません(早い話が数字だけで、後は指や顎がものを言う)。
      台湾のローカルと話して気付くのは、彼らの英語の特徴が、(きっと)文法はでたらめだけれども、言いたいことはすごくよく判るところにあること。
      日本人も彼らと同じような意識が持てれば、もっと外国語が上手くなるように思います。何しろ世界一難しい言語の一つがペラペラなのだから。

      1. 加藤麻貴子 高22期 より:

        そうですね、確かに「ソ連とロシアは違う」とは思いますが専制的という点は同じように思います。若いころ、シベリア経由のコンテナ輸送会社で働いていました。その社長はシベリア抑留の経験者で理不尽な要求をされると、小声で罵りながらもビジネスしていました。抑留で辛い面も舌だろうと思うのにソ連相手の仕事をすることが当時の私には不思議でした。おいおい彼女にロシアについて聞いてみようと思います。

      2. 加藤麻貴子 高22期 より:

        外国語を話すのは難しいと思うので話せないのだと思います。アジアの人と英語で話すことがあり、どちらもペラペラでないので英語で話すことがとても楽になりました。「文法はでたらめでも言いたいことは良く分かる」これでいいのだと思います。言葉は「聞く→話す→読む→書く」の順番で身に着けるのが一番と思います。

        1. 高橋克己 より:

          私を含めた日本人の習得順序はほぼ真逆ですね。 そういえば、私のギターの弾き始めは中1でしたが、最初から楽譜そっちのけで、曲を覚えて指板の音を探しながら先ず弾く、で覚えました。つまり「習うより慣れろ」。お陰で未だに音符が読めませんけど、余り困りません。

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