▶防衛大へのエリートコース「少年工科学校」(高22期 伴野明)

加藤さんの防衛大学の記事を見て、思い出したことがあったので、ちょっと書いてみました。
中学生(坂中)時代の思い出です。

横高の入試前、私はある少数指導の塾に通っていました。塾というより先生の住まいのアパートの一室が教室で、私を含め三人が生徒でした。小学校から中学に上がって、1年生の時に急に成績が下がり始めて、親は焦っていたようでした。小学校の授業と中学校の授業の雰囲気の違いに馴染めなかっただけなのでしたが。

先生は自衛隊の教官だったようで、隠れアルバイトとして塾をやっていたのです。結果、成績は爆上がり、親は先生を神様扱いでした。実のところ、教え方がうまいとか、そんな事では無く、先生の雰囲気が怖かっただけなのです。次回の授業に向けて、予習をする、授業後復習をするなど、自分で必死で勉強をしました。

3年生の年末の11月ごろだったか、先生が「伴野くん、高校受験の前に受験練習のつもりで入試をしてみないか?」と言うのです。そのころは、横高入試が現実的になっていたので、どこかの私立の早期入試でもあるのかな? と思ったところ、久里浜にある自衛隊の「少年工科学校」だと言うのです。

そこは先生によると、「全国の優秀な生徒を自衛隊に取り込むため、用意されたものだ」そうです。「そこは、防衛大へのエリートコースへの一歩であって、将来自衛隊の幹部になれる可能性が高い」どうかね? とニコニコ顔で言うのです。

たしかに「受験のシミュレーションをやって、度胸をつけるのも良いかも」と思い、受けてみることにしたのです。ある日、中学の担任が「伴野、ちょっと話がある、職員室に来い」というので行ってみると、学年主任ほか三人ぐらいの先生に囲まれました。「おまえ、自衛隊を受けるんだって?」と異様な雰囲気で聞かれました。

「何だろう、なにかヤバイことがあるのか?」と不思議でしたが、後で考えると、左派系の先生方が本気で心配していたという事でしょう。「いや、受けるのは本当ですが、単なる受験練習ですよ」と答えたのですが、「悪いことは言わない、止めとけ」と迫ってくるのです。

それより、なぜこの受験を先生方が知っているのか不思議でした。分かりました、塾の同級生の一人が「少年工科学校」を受けると明言したのです。結果、私は言った通り受験練習のため、試験を受けました。

入試がどんなものだったか明確には思い出せませんが、数、英、国、物あたりの4~5科目でした。内容のレベルは高くなく、基礎の基礎みたいな、ひねりのない問題ばかりだったので、「たぶん全部満点じゃないの?」と気分は良かったです。友人はエリートコースへ行きました。順調に防衛大へ進みましたが、自衛隊には入らず一般企業、たしか建築関係へ進みました。

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