▶昭和のラジオ・テレビ物語:第1話(高22期 高橋揚一)
【おとなの漫画 昭和99年7月】
♬おとなの漫画。出演、ハナ肇とクレージーキャッツ。作、河野洋。提供、日本理研ゴム♬
『おとなの漫画』は、フジテレビ開局翌日の1959年から1964年大晦日まで、昼12時50分から日曜を除く毎日10分間生放送された。クレージーキャッツが新聞記事を基にしたコントを演じている。夏休みの昼食時は、そうめんを食べながら毎日見る番組だった。
ブラウスを着た女性役の桜井センリの背中にランニングシャツが透けて見えたり、敢えて安易な構成で笑いを演出しているようにも見えた。生放送ならではの失敗も多く、それがかえって笑いを誘ってもいる。医者に扮した植木等の所へスモッグの被害に遭った患者のハナ肇がやって来て「鼻毛性慢性窒息ですね」と診断された際に大量の鼻毛が抜けかかって、植木等に押し込まれて笑いをこらえるハナ肇の仕草などは大爆笑。
♬ちょうど時間となりまーした ハァ〜こーりゃシャクだった ドン♬
コントが終わると、植木等の台詞で番組は終了。
その後「こりゃシャクだった」というタイトルで植木等の歌がレコード化されたが、B面の「スーダラ節」の方がヒットすることになる。
1963年には『おとなの漫画』のハイライトシーンを30分に構成し直した『7時半だよクレージー』が1964年末までフジテレビ系列で放送された。竹岸畜産工業(1965年プリマハム株式会社に社名変更)の提供で、コントが終わると控え室のソファで谷啓、構成の青島幸男、ディレクターのすぎやまこういちによる生CM。「谷だぁ、青島だぁ」に始まり、ハムを1本持って「こんちまたプリマハム。ボヨヨ〜ン」といった場面で番組が終了。
一方1961年から1972年まで毎週日曜18時半から30分間放映された日本テレビの『シャボン玉ホリデー』は、クレージーキャッツとザ・ピーナッツが中心となり多くのレギュラーやゲストによるコントと歌のバラエティ番組。
♬牛乳石鹸提供 シャボン玉ホリデー ……… モ〜 わらわらわらわら ……… シャボン玉ホリデー どうなってんだ ピーナッツ……… シャボン玉ルンルルンルルンルルン シャボン玉ランラランラランララン ローマンティックな夢ね 丸い素敵な夢ね リズムに乗せて運んで来るのね ホリデーホリデーシャボン玉 シャボン玉ホリデー♬
回数を重ねるうちにマンネリしたギャグが敢えて毎回登場する。
「およびでない およびでない こりゃまた失礼いたしました ドーン」は植木等による通例。ザ・ピーナッツ「おとっつあんお粥ができたわよ」、ハナ肇「いつもすまないね。こんな時におっかさんがいてくれたらなぁ」「おとっつあんそれは言わない約束でしょ」に始まり、ギャグの最後はハナ肇がネグリジェ姿や赤い着物姿で布団から起き上がるオチ。
エンディングは犬塚弘のシェービングクリームの生CMと中原美紗緒の「牛乳石鹸の歌」に続いてザ・ピーナッツの「スターダスト」とハナ肇の一言があり、Los Indios Tabajarasのギターによる「スターダスト」。
これは受ける!! 全てリアルタイムで観ていた懐かしい番組ばかり。青島幸男、河野洋辺りは良く覚えています。
「おとなの漫画」も「シャボン玉ホリデー」も、テープが残っていないのかyoutubeで観られないのが実に残念。まさに国家的損失です。「少年ジェット」ですら観られるのに。
続編、期待してます。とりわけ「11PM」辺り。
良いですねえ。全部観ていました。60年ぐらい前にタイムスリップしました。懐かしい音楽と共に、あの頃の思い出に浸ることができました。昔のテレビ番組はクオリティが高かったですね。でも、番組に出演されていたタレントさんたちが、ほとんど亡くなられているのは寂しいです。次回も楽しみにしております。