▶「フーリエの冒険」読了~2024年の一大事~(高22期 加藤 麻貴子)

2024年12月20日深夜「フーリエの冒険」の英語・スペイン語版どちらも400ページ以上を読み終えました。毎週金曜日午後10時半から1時間、時には0時過ぎまで北海道から九州の初老の数学不得意のおばさんたちが10人で英西4ページずつ読み進め2年と2ヵ月とうとう読み終えました。パソコンまたはスマホでズームミーティングに集合して数行ずつ声に出して読んでいきました。兎に角2冊の本に風を通すのが目的、内容の理解は無用です。

フーリエとはJean Baptiste Joseph Fourier(1768-1830) フランスの数学者・物理学者でフーリエ解析という理論を展開した人で「フーリエの冒険」は微分や積分のオンパレード、数Iで挫折した私は日本語版の出版当時読みましたが珍紛漢紛でした。今回英語で読むと文章は余分な修辞がないので文学作品よりすんなりと読めました。でも難関が待っていました。数字と数式の読み方です。数式の知識のある人が教えてくれるのですが一度読めても1週間経つと忘れてしまいます。それでも最初はたどたどしい読み方でしたが後半にはすんなり読めるようになり嫌いだった数式を身近に感じるようになりおぼろげに分かるかもしれないと思うようになりました。

何故数学音痴の私がこのような本を読んだのでしょう?
私は40年以上多言語を自然習得をするヒッポファミリークラブ(以後HFC)の会員です。言語習得は人文科学ではなく自然科学の分野です。言語を司るのは脳、だから自然科学です。HFCにはTransnational College of LEX通称トラカレと言う小さな研究機関があり、言語を多角的に研究しています。現在では東大の酒井邦嘉教授とMITのスザンヌ・フリン教授と2言語話者と多言語話者の脳活動について共同研究をしています。

さて音は波です。波とは何か、それを知るべくトラカレの文系の若い学生たちがフーリエ級数に挑み、理解できるまでの過程を本にした「フーリエの冒険」を1988年に出版しています。続いて「量子力学の冒険」「DNAの冒険」を出版しそれぞれ英語、スペイン語、韓国語訳の書籍になっています。江戸時代の捕り物ふうの物語にしてフーリエを「風 利栄」と表した漫画チックのイラストなどで文系の人も読みやすい構成です。また記紀万葉の物語や詩歌を韓国語や中国語で読み解き新たな視点の解釈を加えた「人麻呂の暗号」「古事記の暗号」「額田王の暗号」なども出版しています。私は暗号シリーズをほぼ読んだのですが冒険シリーズには手が出ませんでした。ところが3年前に「HFCの本を全部読んでみたい」という仲間に出会い一緒に読み始めました。

最初は英語の言葉の幅を広げたい、スペイン語を読んでみたいという気持ちでした。ところが日本語で読んでさっぱり理解できなかった「フーリエの冒険」を、英語とスペイン語でも読んでみるともう一つの言葉「数式」にも興味が湧きました。年末に纏めて再放送されていたNHKの「3か月でマスターする数学」と「笑わない数学」を貪るように見てしまいました。そしてフーリエ級数も解りそうな気がしてきました。数学音痴の私が「微かに分かる微分、分かった積りの積分」位まで理解できそうです。

今年は「量子力学の冒険」を英西で眠い目をこすり乍ら読みます。

▶「フーリエの冒険」読了~2024年の一大事~(高22期 加藤 麻貴子)” に対して6件のコメントがあります。

  1. 廣瀬隆夫 より:

    すごい本が出てきましたね。大昔、私も日本語版を読もうとしましたが、挫折しました。量子力学の冒険も出しているのですね。今度、お会いした時にヒッポファミリークラブについて詳しく教えてください。

    1. 加藤麻貴子 より:

      廣瀬さま、ありがとうございます。今度お会いした時にお話しします。子供のために入会したのですが長い付き合いになり、息子家族も入会して小5の孫は今年韓国へ10日間ホームステイ交流に出かけました。難しそうな本も出しているのですが日常の活動は多世代で遊ぶという単純なクラブです。

  2. 加藤麻貴子 より:

    廣瀬さま、ありがとうございます。今度お会いした時にお話しします。子供のために入会したのですが長い付き合いになり、息子家族も入会して小5の孫は今年韓国へ10日間ホームステイ交流に出かけました。難しそうな本も出しているのですが日常の活動は多世代で遊ぶという単純なクラブです。

  3. 高橋克己 より:

    計算すると英語と西語合わせて800頁を113週、凡そ150時間掛けて10人で交代で読んだということですね。「すごく早い」と思ったら、中身の理解は度外視、とあるので得心がいきました。私も9年前に400頁の英書を1000時間掛けて、辞書と首っ引きで翻訳したことがあるのです。
    フーリエさんの名は、若い頃経理で設備投資の査定を3年ほど担当していた時分に、「フーリエ変換」を用いた分析装置を何千万円だかで買いたいとの研究所の申請を処理したことがあり、覚えています。事務屋ですのでメカニズムはまったく理解できませんでしたね。
    それにしても皆さんの根気があるのには脱帽です。

    1. 加藤麻貴子 より:

      確かに中身を精査しながらではありませんが、皆内容は凡そ理解してます。というのは日本語を介さずに英語を直に理解しているからです。どの言葉も「日本語に訳さず理解する」ようにHFCの人たちはの脳は変化しているように思います。

  4. 和田良平(高17期) より:

    すごいですねえ。英語と
    スペイン語の言う組み合わせも。ビックリしました。
    さらにフーリエ級数とは。脱帽です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です