▶10才の少女のモンゴルホームステイ(高22期 加藤 麻貴子)

先日、親から離れてひとりでモンゴルへ冒険に出かけた10歳の女の子のつきちゃんの話を聞きました。以下は凡その話の内容です。
前半の5日間は友達と一緒にゲルキャンプ、モンゴルの伝統的な住まいの円いテントのようなゲルに泊まって夕方や朝には馬がゲルの周りに来ていてとても嬉しかった。草原の草は日本と違ってみなきれいな花をつけハーブのように香りが良く、エーデルワイスも咲いていて押し花にしてきた。山にも登った。星空を見たいと思っていたけれど、ずっと雨や曇りだった。でも「雨はモンゴルの人たちにとっては恵みの雨なのでこれは良いこと」と思った。キャンプの最後の晩みんなで火起こし、木を擦り合わせて火を起こすのだけどなかなか起きなくて夜の11時ごろにやっとファイアーに火が付いた。とても寒かったけど星も沢山見えて嬉しかった。キャンプでは手伝ってくれる大学生たちもいて、難しいことは話さないので言葉に困ることはなかった。
後半の5日間はウランバートルでホームステイ、対面式には一番大きいお兄さんが迎えに来ていた。家に着くとお母さんと2番目のお兄さんとホストブラザーが待っていた。お父さんは仕事で留守だった。翌日は観光をしてくれてラクダに乗ったり中華風のお寺に行ったりたくさん歩いた。翌々日の午後にお母さんが髪をやさしく洗ってくれたけど何故なのかは分からなかった(前の日も洗ったのに、、。)それから叔父さんのマンションに行き民族衣装を着せてもらい馬頭琴も触らせてもらった。
その後お母さんが迎えに来て田舎に行くと言われてお祖母ちゃんのところに行った。子供が沢山いてトランプやかくれんぼや鬼ごっこやモンゴルのシャガで遊んだのがとても楽しかった。翻訳ツールは殆ど使わなかったけど問題なかった。お兄ちゃんは映画のポスターのコレクションを見せてくれたけど膨大できりがなかったので途中でやめてもらった。次の日にウランバートルのうちに帰ったらお父さんも帰っていた。年の離れたお兄ちゃん達の家庭でなく同い年位の子どものいる家庭でお話が沢山できたら良かったけど可愛がってもらったのでいいかな。帰国前日にカムチャッカ半島の地震と日本の緊急津波速報のテレビを繰り返し見て、自宅の地域も避難勧告が出ていてとても心配になった。
帰国の前の晩は一緒に行った青少年達とホテルに泊まって、みんなのホームステイの話を一晩中話して楽しかった。
言葉のことについて言えば「センベッツァーノ こんにちは!」や「バイルラ ありがとう」くらいしか言わなかった。モンゴル語で言われて解らない顔をすると英語で言われてそれでも分からないときは翻訳ツールを使ってくれたけど、使う人の意図通りの翻訳でないときもあるので状況も考えて注意深く読んでYESとNOを間違えないようにした。
7月22日に出発して8月1日に帰国し翌2日にモンゴルで過ごしてきた様子を話してくれました。いつも物静かなつきちゃんの顔は自信に満ち急に大人になったと感じました。
つきちゃんはヒッポファミリークラブ(以下HFC)横須賀のメンバーで青少年交流のプログラムで7人の仲間とモンゴルに行きました。 初めての交流で不安もあったけれど「楽しいことがありそう」と決心しての参加でした。つきちゃんは何事も冷静に受け止めて、体験したことを「これはどういうことか」と自分で考え出会った人とのつながりを大切にしてきたように思いました。
多言語の環境の中で家族や友人と楽しく自然習得するHFCにとって夏は格別です。「ありがとう」の言葉と「笑顔」を携えて台湾、中国、韓国、イタリア、フランス、マレーシア、モンゴル、アメリカなどにおとなも子どももホームステイ交流に出かけて行き 帰国後はその報告をします。私はこの時期沢山の子ども達の交流の話を聞くのを楽しみにしています。交流の体験、良かったことも良くなかったことも全てを言葉にしていくことで皆の心にしっかりとした経験として刻まれるように思います。また話を聞いた小さい子たちにとっては「いつか、自分も」という気持ちを育んでいきます。


