▶西岸叶神社例大祭(高22期 加藤 麻貴子)

9月に入ると浦賀の町はワサワサしてきます。浦賀駅前の通りに始まり各町では提灯を飾り夜にはお囃子の練習の太鼓の音が響き、しめ縄も張られ叶神社の秋の例祭の準備で街の雰囲気が一変します。
・西岸叶神社宵宮祭: 9月13日18:00~18:30 献灯式と参進行列開始
・湯立て神楽奉納:9月13日 19:00~19:30
・西岸叶神社例大祭: 9月14日 13:00~17:30
■ 叶神社について
叶神社は1181年文覚上人が源氏再興を願い八幡神社を勧進し叶神社を創建、源頼朝が鎌倉幕府を開き源氏の再興の願いは叶いました。叶神社の「叶」は願いが叶うことで今では市外や他県からも多くの人が参詣に訪れます。
1837年に社殿を焼失し1842年に再建され社殿の彫刻は名工と言われた後藤利兵衛の作品で屋根は総銅葺き、本殿・幣殿は総檜造り、内部は極彩色の美しい神社となりました。それから170年後の2018年の社殿の修復は主に寄付で賄われ、強制ではありませんが少額から高額までそれぞれの立場に応じ氏子は寄付をしております。
九月の例祭は最も大切な祭のひとつで毎年第2土日に宵宮祭、例祭、付け祭りの執行が慣例となっています。今年は三年に一度神様が宮神輿に乗り巡行する御神幸祭が行われます。例祭を行うに当たり六月に宮司、氏子総代、年番と神社を囲む宮下町内の四者で例祭会議が開かれどのような祭にするか話し合いその後数回の会議で内容を決めていきます。
氏子総代とは氏子の代表者で神社の役員として宮司を補佐します。年番は毎年持ち回りで祭りを取り仕切ります。今年は蛇畠(じゃばたけ)が年番です。
因みに旧町内は宮下、柳町、紺屋町、蛇畠、芝生(しぼう)、荒巻(あらまき)、七丁目(洞井戸と谷戸)、田中、高坂(こうざか)、浜町、川間、昭和になって京浜団地、浦賀団地、浦賀丘、光風台、南浦賀などが加わっています。13日の朝には各町内から3~4名程の氏子が集まり協力して幟立ての作業を行います。
【西叶神社の公式HP】
https://kanoujinjya.jp/
■ 西岸叶神社宵宮祭: 9月13日18:00~18:30 献灯式と参進行列開始
宵宮祭の参列者は参進行列で社務所の境内から出発し30分ほどで大鳥居をくぐり抜けて神社に還り社殿に進みます。
先頭は金棒引きで露払いの役目で神様が通る道を清め災いや厄を払い、行列や祭りを守る警固の役目も果たします。次に続くのか触れ太鼓で例祭の始まりを告げます。次に例大祭の幟旗1対が続き 各18町内の高張提灯が並び、氏子総代、正装の宮司、羽織袴の各町会長と来賓が続きます。観客は金棒引きと行列の最後尾の間に入ってはいけません。
神社に還った参列者は水屋で手を清め、拝殿に上がり秋の例祭が執り行われます。
■ 湯立て神楽奉納:9月13日 19:00~19:30
その後社務所前では大きな釜で湯をたてながらお神楽「初能(はのう)」「御祓」「御幣招き」「湯立て」「天狗舞」等計七座が奉納されます。
■ 西岸叶神社例大祭: 9月14日 13:00~17:30
14日には神奈川県神社庁より献幣使、随員を迎え猿田彦や稚児行列も加わり宮神輿による御神幸祭、付け祭りが行われます。海岸大鳥居にての辻神楽にはじまり西浦賀(高坂、濱町、川間、蛇畠)を巡り消防署前の辻神楽を最後に還輿祭となります。今年は西浦賀地域ですが3年後は叶神社より東側を巡るようになります。各町内の付け祭りは見られることを意識しており様々な工夫や風潮がみられます。
14日に行われる御神幸祭は華やかで活気もあるのですが、私は落ち着いた雰囲気の宵宮祭の方が好みです。提灯を下げての行列や面をつけての神楽の奉納も厳かではありますが終盤の子どもたちとのやり取りにはユーモアも感じられます。





西叶神社の彫刻は素晴らしいですね。私の町内の屋台も後藤利兵衛の作だと言われています。
https://daido-net.sakura.ne.jp/wp/2020/05/25/shishigashira/