▶JAXA筑波宇宙センター(高22期 加藤 麻貴子)

筑波宇宙センターではセキュリティは厳しく顔写真付きのIDでチェック、リストバンドを巻かれまずはオリエンテーション、室内の写真撮影はOKだが外での写真は建物の入り口も含めNG。建物間の移動はバスでした。最初に見学した「きぼう」の運用管制室では3列でパソコンが並んでいます。一列目は電気屋さん兼カメラマン、宇宙空間での実験担当、エアコン・換気担当、2列目は「きぼう」の最高責任者、通話で宇宙と地上をつなぐ飛行士のパートナー、機械の数や調子のメンテナンス、3列目はKIBOTT(「きぼう」+ロボット)遠隔操作でISSの手足となります。それと要のネットワーク全体を管理しています。仕事をしていた数名の管制員が厚いガラス越しに一瞬手を振って挨拶をしてくれました。管制室員は24時間365日3交代の勤務、管制チームと宇宙飛行士は車の両輪のように息を合わせて仕事をしていて、どんなトラブルがあろうとやり切ることが使命とありました。

■ 国際宇宙ステーション(ISS)

日本、米国、カナダ、欧州各国、ロシアの計15か国が参加するサッカー場ほどの大きさ(約109×73m)の有人施設です。平和目的の国際共同プロジェクトで基本的に「相互扶助」の精神に基づいています。宇宙ではみんな仲良しなのです。日本は国際貢献と国民の利益の両方を考慮しつつ国際協力を推進しています。「きぼう」はISSに取り付けられている日本が開発した実験モジュールで大型バスほどの大きさで宇宙飛行士が長期間にわたって様々な実験ができます。

■「きぼう」


■ 宇宙飛行士

現在は大西卓哉氏と油井亀美也氏の2名の宇宙飛行士が「きぼう」に滞在しています。飛行士になるには何千人の中から選ばれ低圧環境適応訓練、閉鎖環境適応訓練、最終訓練は大型バスほどの大きさの疑似宇宙船の中に10人で暮らして協調性や適正な状態でいられるかなどの確認を経て、飛行士になることができます。飛行士それぞれにはシンボルマークがあり、油井亀美也飛行士のものは亀をモチーフにしてあり可愛らしいので私はピンバッジを買ってきました。

■ 宇宙服

船外活動をするには宇宙服としてお馴染みの船外活動ユニット(EMU)を着ます。EMUの内部は純粋な酸素で満たされ、0.3気圧程度に保たれ、内部を適温に保つため水を使った冷却下着を着用しています。背中に背負っている箱のようなものはそれらの生命維持装置で総重量は120キロになります。さらに適度な機動性を備え、船外活動の為の様々な工夫も施されていました。人間の生きる環境を人工的に作ろうとするととてつもない労力と機械装置が要るのだと思いました。

船内では洗濯もままならないので吸水速乾、抗菌消臭、快適な着心地の下着の素材が宇宙飛行士と民間会社のコラボで開発され2010年には一般社会でも販売されるようになりました。衣服の面でも私たちは恩恵を被っています。そして作業用の衣服には胸に各国の国旗の色を表す線が入っており日本の宇宙飛行士は赤と白の線です。
ほかに予約受付不要の自由見学できる展示館がありゆっくり見学したいと思いましたが、次の予定もあり10分程しか時間がなく写真を撮るのが背一杯でした。いつかもう一度訪れたいと思いました。

■ ランチと筑波山

筑波山麓の「ひたち野」というレストランで常陸牛料理をいただきました。店主の趣味で埴輪や壺などが飾ってありレトロな雰囲気でとても美味しい昼食でした。
また筑波山神社からに創立100年のケーブルカーで男体山と女体山の中間に位置する御幸ヶ原まで昇りました。宮脇駅から筑波山長駅まで標高差500mを8分で上がりかなりの急こう配でした。神社に着くまでも階段、階段また階段、ケーブル乗り場に行くまでも階段、階段で 平均年齢75歳にはかなりきつい行程でしたが皆登り切り山頂からの景色を楽しみました。

■ 帰路のおまけ

神社を後にする頃には夕闇せまり、参道の階段には竹筒の行燈が灯りました。バスが出発すると程なくして暗くなり闇の中を走行し、利根川を渡ると街の明かりが見え始め都内に入るとネオンの光が眩しく、そしてスカイツリーはトランプ大統領の歓迎の為に星条旗カラーに彩られていたという一日旅の終わりとなりました。

■ おまけのおまけ

ちゃんとした知識もないのですが宇宙好きの私にとっては心躍る今週の出来事でした。

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