▶デジタル進化論「第一話 デジタルって何?」(高25期 廣瀬隆夫)



私たちは、Amazonで買い物をしたり、LINEで気軽におしゃべりをしたり、Zoomで会議をしたり、YouTubeで動画を楽しんだりしています。しかし、今では当たり前になったインターネットやスマホ、ソーシャルメディアは多くの先人たちが試行錯誤し人類の叡智の積み重ねによって生み出されてきたものです。

この電脳小話の連載では、現在のネット社会に至るまでのデジタルの歴史をタドってみたいと思います。お楽しみに!

■ デジタルネイティブの壁
生まれた時に最初に出会ったメディアによって、その後の生活習慣や人生が変わると言われています。新聞があった人、テレビがあった人、コンピュータがあった人。私の祖父は明治生まれでしたが、新聞を隅から隅まで読んでいました。新聞の記事は絶対に正しいと信頼していました。

私は、昭和の生まれですが、物心ついたときにはテレビがありました。1963(昭和38)年のケネディ大統領の暗殺の衛星通信で送られた画質の悪いニュース映像は今でも鮮明に覚えています。その後、少年ジェット、黄金バット、シャボン玉ホリデーなどを神棚の横に鎮座したテレビに噛り付いて観ていました。

生まれた時にコンピュータがあった人のことをデジタルネイティブと呼びます。私が最初に買ったパソコンは、1986年に市場に出た初期のMacintoshでした。子どもは、その後に生まれましたので、家にパソコンがあり、それで遊んでいる私の姿を見て育ったまさにデジタルネイティブです。孫は二歳になりますがタブレットを操作してYoutubeのアニメを観ています。

デジタルネイティブ世代は、文字通り、さまざまなデジタルメディアを自由に使いこなします。息子が学校の進路説明会の時にノートを持っていないので大丈夫かと見ていると、スマホでメモを取っていました。下宿でテレビを用意しようか、と聞きましたら、Wifiとパソコンがあるのでいらないと断られました。卒論はノートパソコンで書くのが当たり前のようです。部屋に本がないので勉強しているのか、と聞いたら電子本で読んでいると言われました。

このような新しい道具を手にしたデジタルネイティブの人たちが、これから、どんな世界観を持って、どんな発想で、どんな世の中を作っていくのか、期待と不安が入り混じった思いがします。

■ アナログとデジタル
アナログとデジタルの違いをざっくり言えば、アナログは連続的なデータを扱い、デジタルは数値化された段階的なデータを扱うという点にあります。アナログでは 0 と 1 の間に 0.1 や 0.2、0.99999… といった無限の連続量が存在します。色で例えるなら、白と黒の間には無限のグラデーションがあり、時間の流れもカクカクではなく滑らかに変化していきます。アナログ信号がサインカーブのように途切れなく続くのはそのためです。

そもそも、私たちの身の回りに存在するものは本質的にアナログです。それを現在のコンピュータで扱えるようにするため、いったん数値化、離散化したものがデジタルデータです。コンピュータが扱う画像や音声が滑らかに見えたり聞こえたりするのは、目や耳が補完して“連続しているように感じる”ためで、実際には小さな点や数値の集まりにすぎません。

たとえば、ディスプレイを虫眼鏡で拡大すると、小さな点(ピクセル)が並んでいるのが見えます。それぞれの点の明るさや色は0や1を基本とするデジタル情報として記録されています。そして、いったんデジタル化してしまえば、複製・加工・転送が容易になるという大きなメリットがあります。パソコンでコピーしたり、ネットを通して瞬時に送ったりできるのは、デジタルの“数値として扱える”という性質のおかげです。


デジタルは、私たちにまったく新しい世界をもたらしたのでしょうか。答えは、意外にも「NO!」です。デジタルは、私たちの社会の姿をそのまま映す鏡にすぎません。便利さやスピードに驚く日々の中で、つい新しいものが生まれたかのように感じてしまいますが、本質は何も変わっていないのです。

デジタルには、手でつかめるような重さはありません。形も質感もなく目に見えない。中国では「電脳」という言葉が生まれましたが、それはまさに頭の中にだけ存在する世界を指しています。デジタルは見えない世界への旅のチケットではないかと思います。

■ まとめ
デジタルとは何かをなんとなく分かっていただけたでしょうか。今回はデジタルというコンピュータのさわりの部分のお話をしましたが、スマホやソーシャルメディアの歴史をタドルことで現代社会の様々なことが見えてきます。デジタル社会とは何なのか、デジタルは私たちをどこに連れて行くのか、どんな課題があるのか、これから10回に分けてデジタルの旅を楽しみながら探ってみたいと思います。

こんなことに疑問を持っている、こんなことが知りたいということがありましたら記事のコメント欄にお書きください。

▶デジタル進化論「第一話 デジタルって何?」(高25期 廣瀬隆夫)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 伴野 明 より:

    デジタルの話が出てきましたね。
    横高22期の私の年代ではパソコンを触った人は少ないでしょう。
    私は1990年ごろ、NECのPC-98というパソコンを買いまして、それからずっとパソ
    コンのない生活はありえないような日常です。

    といっても、ソフトウェアの勉強をしたわけではなく、全て自己流です。
    最初に使ったソフトはCANDY3という簡易CADソフトです。
    それまで紙で作図していた仕事がパソコンで出来るというのは画期的でした。
    そのうちに表計算ソフト、ワープロソフトと利用が拡大し、当時のパソコン雑誌
    を毎月10冊近く買っていました。
    完全にパソコンマニアと言える状態で、それはWindowsにつながります。

    電脳小話 第一話~第十話まで楽しみにしています。

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