▶日本語サロン2学期(高22期 加藤 麻貴子)

12月半ばで2学期が終了した日本語サロン。午前の久里浜のサロンでは最終日に新たに2名が参加してきた。一人はデンマークのサイモンさん。来日して日本の人と結婚して在住10年になる。子どもが成長するにつれ、家庭内の会話についていけなくなったことをきっかけに一念発起し、会話も読み書きも学びたいとサロンの戸を叩いた。

もう一人は父がアメリカ人、母が日本人でフロリダに住んでいた17歳の少年、海(かい)君。日本の高校で学びたいと、2ヵ月前に来日した。母から日本語を教わり、N3レベルのテキストで学んでいたため、会話や読解、ひらがな・カタカナを書くことにも、ほとんど不自由はない。

2月半ばの高校受験に備え、本人は万全のつもりだったが、日本語の同音異義語の多さに驚き、落胆していた。例えば、「海」は「うみ」とも「かい」とも読む。ここまでは許容範囲内。しかし「会」「回」「貝」「階」「解」―――これらすべてが「かい」と読むことに、びっくり仰天したのである。

英語にはこれほど多くの同音異義語はないだろう。日本に住み、日本語を日常的に使っていれば、前後の文脈からどの「かい」なのかを、いとも簡単に理解できる。しかし日本語の環境が薄い場所で育つと同音異義語はことのほか難しいに違いない。
ロシアのカーチャは、12月初旬に夫のペーターと共に「N2」の検定試験を受けた。これは大学留学レベルの試験なのでかなり難しい。ペーターは「歯が立たなかった」と言っていた。カーチャにも難しかったそうだが、体調すぐれず休んでいたため、結果の確認はできていない。

カーチャは文章も良く読めるしテキストの問題も良くできる。ただ、進んでしゃべりしようとしない。一方ペーターは最近読む力が上達すると同時に、会話力も格段に進歩している、焼き鳥屋さんでおしゃべりしたり同僚と「飲みニュケーション」したり話す意欲がすごい。初めて会った頃に比べると、見違えるほどの進歩である。

汐入のサロンの二人のアメリカ人はどちらも大学で日本語を学び、伴侶も日本人だ。マイケルは、初来日のとき空港で日本語がまったく分らず、がっかりしたそうだ。ベジタリアンで日本の会社に勤めているが、職場は英語環境である。ジェイソンの母は沖縄出身で、伴侶は日本人。3人の子どもがいて職場は英語環境だ。沖縄弁と標準日本語の違いに驚いており、時々沖縄弁が出てくる。

日本語サロンに来ている英語圏の学習者は、私が知る限り、伴侶が日本人、夫婦の会話は英語が多いらしい。という訳でサロンに学びに来る。何となく会話はできるが細かいニュアンスと読み書きが弱い。例えば、「豆腐さえ食べられない」の「さえ」が分からない。

「子供向けの本のわりには」の「わり」が分からない。私たちが何気なく使っている言葉は彼らには謎なのかもしれない。
二、三の例を挙げて説明すると、理解し、「今度使ってみる」と嬉しそうに言ってくれる。マイケルは生真面目で、自分で単語ノートを作り、学習したことを丁寧にメモしている。また気働きもでき、私が日本語で説明したことをジェイソンに通訳してくれるので、とても助かっている。

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