右を赤ちゃんに説明できますか?
友人から、「孫に右という言葉を教えるにはどうしたらいいのか」という難題を出されました。私は、小さいころ右や左が分からなくて、母から、茶碗を持つ方が左で、お箸を持つ方が右だと教えられた記憶があります。私が右利きだからこのように教えたのでしょうが、左利きだったら逆になってしまいます。
広辞苑には「握り」という言葉から転じて「みぎり」になったという記述がありました。昔から右利きが多く、握り→ミギリ→右となったということかもしれません。
辞書にはいろいろな右の説明がでていました。
・人の体で心臓のない側
・北を向いたとき東にあたる方
・アナログ時計の文字盤の3と9で、3のある方
・空間を二分したときの一方の側
・明という漢字の月が書かれている側
・この辞書を開いたときの偶数ページの側
どの説明も、予め知識があったり、物があったりしないと説明できないので、赤ちゃんには難しいですね。右も左も分からない、と言いますが、右や左を理解することは難しいことなんですね。
右というひとつの言葉を説明するだけでも、これだけのバリエーションがあるのですから、辞書を作るという仕事は、たいへんなことだなと思いました。
インターネットで調べれば何でも分かる時代ですが、辞書を読んで言葉の意味を考えてみることもたまには良いですね。
ちなみに、iPhoneに搭載されている人工知能のSiriに「右はどちら側ですか?」と聞いてみましたら「それは、おもしろい質問ですね」と、はぐらかされてしまいました。説明できないんですね。(高25期 廣瀬隆夫)