▶「看取り介護」と「生計同一関係の申立」 (髙22期 高橋克己)

2月8日日曜の朝、17年2月から袖ヶ浦の特養で暮していた92歳の叔母が永眠した。7時半過ぎにスマホが鳴り、「今しがた眠るように息を引き取られました、ご愁傷さまです」との施設長の声が流れた。が、寝ぼけ頭はまだ夢の中、何とか「日曜にご苦労さまです。長い間お世話になりました」と返した。

「日曜」と口をついたのは、前日にも「状態が良くない。お越しになりますか」との電話が入ったからだ。総選挙の投票を控えたその土日は予想通りの大雪だった。出掛けてもアクアラインが通れるかどうか判らないし、付き添っても私に出来ることは何もない。遺体の引き取りも葬儀社に依頼してあった。

■看取り介護

年が明けた1月5日、施設から「食事や水を口に溜めて嚥下しづらくなっている」「この状況が続くなら、看取り介護に入るか、病院に入院するかの選択が必要になるので、近々来所願いたい」とのメールが入った。いよいよかと13日、状況を聞くべく横浜から高速バスに乗り木更津経由で施設に赴いた。

病院に移って「胃瘻」の処置をすれば、きっと何カ月か延命するだろう。が、年齢と認知症と車椅子の生活を考えるにつけ、飲食物を口に溜めるのは「これ以上生きたくない」との叔母の意思表示と思えた。看取り介護なら、施設でありのままこれまで通りに過ごせる。入所者約70名のうち4人いるそうだ。

看取り介護入りの日付を1月13日と記し、続きを読むと「看取り介護加点」とある。45日間を上限に加算点数が項目毎に記されているが、金額が判らない。最大で幾ら掛かるか尋ねると、介護士さんは電卓を叩いて10万円程と。「金額で書く方が良いんじゃないの」と私、「そうですよね」と介護士さん。

出入りの葬儀社はないそうで(病院ではないし、そうだろうな)、近隣の葬儀社を数社プリントしてくれた。埋葬は両親の眠る横須賀市営墓地にするのだが、遺体で運ぶことにも、居住地以外での火葬にも大金が掛かる。因みに袖ケ浦市の火葬料は、住民なら1.2万円だが、地域外だと7万円掛かる。

施設や葬儀社と何回か遣り取りして、死亡診断書発行は医師の都合で7時から23時、葬儀社の遺体引き取りは24時間体制だが、診断書発行時間内の引き取りになると判かった。3時間ほど掛かる私は立ち会えないので、葬儀社には火葬に立ち会うと伝え、埋葬する横須賀市営墓地の葬儀社にも連絡した。

斯くて、看取り介護26日目の2月8日に訃報が合入り、直ぐに葬儀社に連絡、折り返し午後に13日14時半から「きみさらず聖苑」なる新設の公営火葬場で荼毘に付すことが決まった。郵送をお願いした遺骨が16日に市営墓地門前の葬儀社に届き、叔母には申し訳ないが、初七日も四十九日も略して、翌17日に叔母の兄(私の父)の隣に収めた。

■「生計同一関係の申立」

葬儀屋さんが施設から託された「死亡届に伴う各種手続きについて」なる袖ケ浦市発行の案内を受け取り、諸手続きに入った。それらは、①葬祭費支給申請(後期高齢者医療加入者)、②後期高齢者医療資格喪失届、③未支給年金の請求、④介護保険証等の返却(これだけは市原市)である。

①~③を住民票(=施設)のある袖ケ浦市役所に電話を掛けてコールバックしてもらい、記入の仕方を聞いた。①には私の銀行口座とマイナンバーカードコピー、会葬案内or葬儀費領収書が必要で、②と④は保険証の返却で済む。が、③は木更津の年金事務所にコールバックしてもらったが、かなり厄介で「生計同一関係の申立」と戸籍謄本が必要だという。

2月8日に亡くなったが、年金は2月分が丸々支給されるそうだ。それを私が受け取るために、私に叔母の年金を受け取る資格があるかどうかを申し立てるのである。①で葬祭費5万円が出るものの、それでは墓石への戒名彫刻代にも足りない。年金が1ヶ月分でれば火葬や納骨の費用の足しになる。

申立書の記入カ所は3つ、1つ物故者から請求者に対して援助がある場合、2つ目は請求者から物故者に対して援助がある場合、3つ目は第三者の裏付け、である。私の場合は2つ目で、年金と施設利用料等との差額の補填及び骨折・手術時や看取り介護時の医師との折衝などしたと記し、これの裏付けを施設にしてもらう訳である。

戸籍謄本は本籍のある横須賀市役所に出向いて3種類入手した。1通は私の、2通目は父の、3通目は祖父の改製原戸籍謄本だ。つまり、私が叔母の甥(叔母の兄の子)であることを証明するには、祖父の改製原戸籍謄本で父と叔母が兄妹であることを証する必要があるという。市役所もここまでのことは珍しいらしく、申請から入手まで50分も掛かった。

手続き完了は4月まで掛かりそうだが、実は、介護保険料と後期高齢者医療保険料の還付がある場合、未支給年金の受領と同様の申し立てが要るのではないか、と懸念している。が、どちらも数千円のことなので、一連の手間と経費(謄本3通で1950円)を考慮し、権利放棄しようと思う。 

叔母も独立して70年余りの一人暮らしを終え、実兄の隣で四方山話をしているのではなかろうか。一方、手製の「ドライフラワー」は未だ健在につき、そのまま活けておくつもりである。  おわり

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