▶[小説] 天狗の鼻 第7話(高22期 伴野明)新着!!
7:天狗の鼻 「……」、「……」「ムッ……」目が覚めた。なぜか艦内に「クイーンのボヘミアン」が流れている。「寝れたんだ、オレ……」 意識が戻ると慌てて手元を確認した。「あるじゃん、トンカチくん……」スゲェ嬉しさだ、トンカ […]
▶[小説] 天狗の鼻 第6話(高22期 伴野明)新着!!
6:夢の中の夢 「貴さんのご意見も、ごもっとも、それでふと思ったんだけど、今のオレ達、『夢の中の現実』にいる。これって『ラノベ』じゃないね、辻褄が合ってるから」「そうだ、『現実感最高の夢小説』とでも言っとくか」 じゃあ、 […]
▶[小説] 天狗の鼻 第5話(高22期 伴野明)
5:ラノベ 「ウーッ」少し目の痛みが治まった。何が起きて、ここが何処なのか、分からない。 目が見えるようになると周囲の状況が分かってきた。上も下も全部が鉄板だ、どうも鉄カゴの自動移動ルートの中間点のように思える。「貴さん […]
▶[小説] 天狗の鼻 第4話(高22期 伴野明)
4:左翼活動家 「やばい、時間を使いすぎた、イベント終了まであと2時間しかのこってねえ」、奥の方を見なきゃ、急いで1層の奥に向かった。「おー、この辺は兵器倉庫じゃんか」このあたりには飛ぶものは無いようだ、代わりに爆弾らし […]
▶[小説] 天狗の鼻 第3話(高22期 伴野明)
3:米軍基地 ベース(米軍基地)の入り口まで来た。もう開場してる。多少回りが散らかっているけど、とりあえず今日の地震の影響はないみたいだ。オレたちは列に並んだ。 入るのに特にチェックはない。長い棒とか持っていない限りは […]
▶[小説] 天狗の鼻 第2話(高22期 伴野明)
2:50年前 「ウッ」貴じいさんが唸った。「勇気、ここ、現代じゃねえぞ」「現代じやねえ?」、何言ってんだ、と言おうと思ったが、回りを見ると確かに景色が違う。店や建物も位置こそ変わっていないが、景色が違う。「貴さん、何だこ […]
▶[小説] 天狗の鼻 第1話(高22期 伴野明)
1:横須賀米軍基地、須賀っ子、お地蔵さん 基地の町、横須賀には、年に一回、「フレンドシップデー」という、米軍基地に一般人が入れる日がある。その日は毎年8月前半だが明確には決まっていない。無い年もある、それは世界情勢によ […]
▶[小説]床屋の事件簿13(最終回)(高22期 伴野明)
「13:新横浜にカジノ?」 二回目の会合、メンバーは同じ、午後2時からだったので、いきなり本題に入った。まず、マイケルが話し始めた。「あの土地の利用について、私は二つの投資家から依頼を受けています。まず一人目はディズニ […]
▶[小説]床屋の事件簿12(高22期 伴野明)
「12:アメリカ人の買い手」 数日後、剛田さんから連絡が入った。「若月さんから、もう一件の買い手との話し合いに立ち会って欲しいと言ってきたんです、日曜日です、もちろん行きますよ、東条さん、行かれますか?」「日曜日か、床 […]
▶[小説]床屋の事件簿11(高22期 伴野明)
「11:バラモンの怪」 翌日、さっそく剛田さんから連絡が入った「東条さん、間一髪で止まってるけど、最高にヤバイ状態。キーマンは若月さんですよ、奥さんは寝たきりで若月さんのいう事しか理解できないというのはお話しましたよね […]
▶[小説]床屋の事件簿10(高22期 伴野明)
「10:ヤクザ?」 土曜日だった。井上さんがやってきた。「どうもー、お願いしまーす」「毎度どうもぅ、どうぞ」 井上さんは町内少年野球チームの顧問をしている。武は井上さんの前任だった。「どう? 最近の活動は」「それがさ、 […]
▶[小説]床屋の事件簿9(高22期 伴野明)
[9:あの横須賀に行く] 剛田さんと目があった。剛田さんはソファから身を起こして言った。「そこんとこですよ蓮池会長が私に何度も話してくれたのは」「そ、それでどうしたのよ武さん、聞かせてよ」と、松井さんが急かした。「オレ […]
▶[小説]床屋の事件簿8(高22期 伴野明)
[8:抗争になるのか] 「あの仰々しいのがね。……わかるよ」武には理解できる。「その後は平穏だった?」松井さんはもっと続きが聞きたいようだ。「じゃあ、横須賀連合との抗争を一席」武は胸を張って話し出した。「横浜連合ができた […]
▶[小説]床屋の事件簿7(高22期 伴野明)
[7:若い頃] 翌日、三人で手分けをして投資した全員に連絡した。大半は被害に気付いていなかった。そのあと一週間で全員が投資金を受け取りに床屋を訪れた。一転して武はヒーローになっている。気をよくした武は飲み会をセットする […]
▶[小説]床屋の事件簿6(高22期 伴野明)
[6:逃がさねーぞ] 「えーと、照明灯を近づけて天井に反射模様を出そうとしました」と、ひげ面は答えた。「反射模様が狙いじゃない。照明に近づけるのが目的だ」芦田は照明を近づけるしぐさを見せた。「ハア?」ひげ面は意味が分から […]
▶[小説]床屋の事件簿5(高22期 伴野明)
[5:何か、何かないか……] 武は頭をひねった。手がかり――何か手がかりはないか。無限エンジンの発表会の光景を思い浮かべた。エンジンのデモ、その回転が、気付くとだんだん速くなってゆく。その現象に驚いていると見事にはめら […]
▶[小説] 床屋の事件簿4(高22期 伴野明)
[4:何かやってる] 月曜日、三人は防犯課で係員を待った。「お待たせしました。防犯課の山口です。どんなご相談ですか?」 武が代表して説明をした。「詐欺のような事に引っかかったようなんですが」「はあ、具体的にどんなこと […]
▶[小説] 床屋の事件簿3(高22期 伴野明)
[3:実演] 火曜日、武は興味津々で会場に乗り込んだ。20坪ほどの会場に30人ほどが集まっている。確かに結構いるじゃん。だけどこの中にサクラが混じってるはず。絶対、二、三人はサクラ。――しばらく説明聞いてればサクラが煽 […]
▶[小説] 床屋の事件簿2(高22期 伴野明)
[2:無限エンジン] 金曜日だった。電話が鳴った。妻の尚子が電話に出た。「野中ですけどー、あした十時頃予約できますか?……」「ああ、野中さん毎度ありがとうございます。十時ですね、えーと、いつもどおりでいいすか? ……空 […]
▶[小説] 床屋の事件簿1(高22期 伴野明)
[1:危ない客] 4月の、ある晴れた日だった。東条武は地の床屋だ。3月に比べると、入学や入社が済んだ4月、床屋は例年暇である。ところがなぜか今年は忙しい。今日も昼飯抜きだ。 「ズザッ」車が止まる音がした。 ドライヤーを […]