三日坊主とクリティカルマス理論
クリティカルマスという言葉をご存知でしょうか?日本語に訳すと臨界量と言います。コップの中に水を、一滴ずつ入れていくと、表面張力で水面が膨らんでいき、ある時ドッと水が溢れ出します。その溢れる寸前の水の量をクリティカルマスと言います。
アップルのiPhoneは、2007年に発売されて今年で10周年ですが、発売当時は、それほど売れていませんでした。2009年くらいを過ぎて、ある販売台数を越えてから急激に売れ始めました。現在は、年間2億台も売れている大ヒット商品です。
2009年が臨界点を越えて水が溢れ出したクリティカルマスの時だったんですね。売れないからと言ってクリティカルマスに達する前に止めてしまったら今の成功は無かったんですね。
クリティカルマス理論は、1962年に、アメリカの社会学者のエベレット・ロジャーズが自身の著書で提唱したイノベーター理論です。普及率が16%を超えると新商品の売上が急上昇して、一気に市場に定着するというものです。
偉人の自伝などを読みますと、才能とは一つのことを長く続けられることだと書いてあります。「三日坊主」では何事も成し遂げることはできないんですね。昔から「石の上にも三年」「三日三月三年」などという格言があります。
私は、会社に入って数年は、仕事が退屈でしかたがありませんでした。しかし、我慢してやっているうちに、ある時、突然おもしろくなりました。今から考えると、これもクリティカルマスだったのかと思います。
新しいことを始めて、おもしろくないとき、なかなか成果がでないとき、辞めてしまおうかなと思ったときは、このクリティカルマス理論を思い出してみてください。(廣瀬 高25期)