▶アメリカオニアザミの一生
きれいな植物はいいですね。「なんでこんなに綺麗なんだろう」と思います。人間から見て「綺麗」なので選択されているのでしょう。「アメリカオニアザミ」は選択されない植物の代表みたいな草です。皆さんはこれを見てどう思うでしょう?(2023年1月28日 高22期 伴野明)
いつも通る道すがら、青々とした草が茂っていました。「どうだ!」とばかりに元気よく、両手を広げて立っているように見えます。近づいてみると「これ、やばい」と、声が出そうになりました。
ものすごい棘、「オレに近づくんじゃねえ!」と言いたげです。でも「花」は可愛い。帰って調べるとそれは「アメリカオニアザミ」という草でした。
資料によると、「アメリカオニアザミは、生態系被害防止外来種(※)に指定され、繁殖力の強い外来の植物です。葉や茎に固く鋭いトゲを持ち、手に刺さると痛みを伴います」と書かれていました。どうやら危険な植物のようです。でも私はこいつが好きになりました。人間でこういうヤツ、いますよ。小さな花がヤツの心なんです。
秋になりました。ヤツはもう、生きて行くのがやっとみたい。
若いお兄さんたちがしゃがみ込んで煙草をふかしていました。アザミ君は死んで『ゴミ』になっちゃいました。
※ 生態系被害防止外来種・・・生態系や人、農林水産業に悪い影響を及ぼす恐れのある生物
https://www.city.chikushino.fukuoka.jp/soshiki/29/2296.html
高22期 伴野明です。これは二年前の写真です。もしかして、枯れただけで翌年また葉が出てくるかと期待したのですが、ダメでした。
アメリカオニアザミ、ちょっとかわいそうですね。アメリカから誰かに持ってこられて、異国の地でオニという名前を付けられて、みんなに嫌われて捨てられてしまう。アメリカオニアザミを見る目が少し変わりました。