▶マンションの庭の花(高22期 高橋 克己)
この夏に38年目になるマンションの庭の花、掃除のおばさんが手入れに丹精を込める花壇の花が盛りですが、私にはそれがツツジかサツキか判らない。近くに満開の八重桜、その向こうで葉桜になったソメイヨシノが風に揺れています。
高一の時ハマった太宰治の短編集「女生徒」の中に「葉桜と魔笛」という掌編がありました。「こう書けばきっとこう読む」と思いながら書いたに違いない、と今は判りますが、当時はすっかり虜にさせられました。
ここまで書いて思い出したことがあります。2019年4月20日、別のサイトに「平成に咲いた徒花一輪:『世界に一つだけの花』の歌詞が好きになれない理由」というコラムを載せたことがありました。
この4月20日、卒業後60年経って初めて小学校の同窓会を開くことを本欄に書きましたが、その同窓の一人が偶さか5年前のそのコラムを読んで下さり、「常々同じことを思っていたが、誰も賛同してくれなかったので、嬉しかった」との感想を知らせてくれました。
内容の詳細はお読み願うとして、この歌の作者が「こういう詞ならきっと受ける」と考えて、もっともらしい語句を繋げて作ったのだろう、と思われて書いたコラムでした。
ツツジとサツキは見るとなんとなく違いますよね。サツキの方が花が締まった感じがします。
椿と山茶花の方が見分けつきません。
貴兄は文学少年だったんですね。小生も人並みに、太宰の人間失格を高1の時読みましたが、全然分かりませんでした。「俺は文学はダメだ、事実しか受け入れられないんだな!」と悟り、小説を読むのを止めました。以来、歴史一筋です。
私もいまは、小説の類をまったく読まなくなりました。近現代史や時事問題に嵌ると、エンタテイメントは時間がもったいないと感じてしまいます。そのかわりに、youtubeで「Matlock」や「鬼平犯科帳」などが骨休めになっている。
現代小説は、私も全く読みませんね。読むのは漱石、鴎外、志賀直哉などの明治の小説だけです。エッセイは寺田寅彦が好きでよく読んでいます。この人も明治ですね。去年は、西本願寺の帰敬式(おかみそり)に行きましたので親鸞の自伝や歎異抄を集中的に読みました。
廣瀬殿、仏教以前には詳しくないですか?
老子、荘子は好きで読んでいますが、仏教伝来以前の日本の宗教(神道?)については、詳しくありません。インドから中国に仏教が入ってきたときには、老荘の考え方を取り入れたらしいですね。
少し残念です。仏教以前は文字がないので、古代人の宗教感情を直接残すものがないんですよね。