▶エルヴィスが世界に放つ愛と平和のメッセージ(高22期 加藤 麻貴子)

5月末エルヴィス・プレスリーの研究家の前田絢子フェリス女学院大学名誉教授の講演を聞く機会がありました。80名定員の会場は往年のプレスリーファンと思われる年配の方たちで満席となりました。前田教授は現代アメリカ文学・文化特にアメリカ南部研究が専門でエルヴィス・プレスリーの研究家としても知られ、1998年にミシシッピ大学で開催されたエルヴィス世界会議にゲスト・スピーカーとして招かれています。

主な著書には「エルヴィス、最後のアメリカン・ヒーロー」(角川選書) や「エルヴィス雑学ノート」(ダイヤモンド社) などがあります。主な訳書はビート・ダニエル著「失われた革命」や2000年に発売されたマイケル・T・バートランド著の「エルヴィスが社会を動かした 原題『Race Rock and Elvis』 」(いずれも青土社)を出版しています。

以下講演内容です。

バートランドが2000年に執筆した著書「エルヴィスが社会を動かした」の中で 1954年5月17日にアメリカ合衆国最高裁判所が下した公立学校における人種分離を違憲としたブラウン判決と同年7月に誕生したロックンロールを歴史的相関性の中でとらえエルヴィスの音楽活動を戦後の社会構造の巨大なエネルギーとして分析した。

その分析を踏襲してバズ・ラーマンは2022年映画「Elvis」を製作し1956年7月4日独立記念日のメンフィスの二つの出来事を象徴的に対照的なシーンとして映し出している。一つはメンフィスのオヴァートン・パークでミシシッピ選出上院議員、人種差別主義者ジェイムズ・イーストランドがブラウン判決とロックンロール批判を演説しているシーン。同じ日その公園から西に2マイルの野球場ラスウッド・パークで開かれたチャリティコンサートでエルヴィスが「Trouble」を歌っているシーン。実際には「Heartbreak Hotel」や[Hound Dog]などであったがより高い効果を狙って曲は入れ替えられている。

映画のクライマックスは1968年の特別テレビ番組の「エルヴィス~68年カムバック・スペシャル」で歌われた「If I Can Dream」 その年の4月4日にメンフィスで暗殺されたキング牧師に対する哀悼の歌だった。

以上が講演の骨子で適時に映像を使用して彼の歌うシーンを挿入し内容の濃い講演でした。
聴衆の中には毎年メンフィスの彼のコンサートに出かけたという素敵なご婦人もいました。日本では「ドーナッツ」の食べ過ぎが彼の死因であると確定情報のように流布されて憤ったという人もおり 講師も聴衆もエルヴィス愛に溢れた人で埋められた会場でした。

▶エルヴィスが世界に放つ愛と平和のメッセージ(高22期 加藤 麻貴子)” に対して4件のコメントがあります。

  1. 加藤麻貴子 より:

    廣瀬さん、エルヴィスの写真と「Love Me Tender」を追加してくださってありがとうございます。

    1. 廣瀬隆夫 より:

      久しぶりに、プレスリーの歌を聴きましたが良いですね。キング牧師の哀悼歌を歌っているとは知りませんでした。ご紹介ありがとうございました。ハートブレークホテルも追加しました。

  2. 高橋揚一(高22期6組大西昭先生学級) より:

    プレスリーは赤ん坊の頃から母親に抱かれて教会に行っていたそうです。
    ロックンロールやバラードにも良い曲は多くありますが、ゴスペルは最高です。
    特に下記5曲が好きです。

    If We Never Meet Again
    In the Garden
    Working on the Building
    What a Friend We Have in Jesus
    Amazing Grace

  3. 加藤麻貴子 より:

    高橋揚一さま、ゴスペルの追加ありがとうございます。

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