▶いのち輝け、コチドリの抱卵から飛翔まで

コチドリが子育てをする季節になりました。今年もこの休耕畑附近でコチドリの営巣(卵4個)を発見して孵化を楽しみにしていたのですが、非情にも台風5号の大雨により、卵4個が全て流されてしまいました。そこで、2016年に撮影したコチドリの抱卵から飛翔までの写真を投稿します。コチドリが生まれてから飛翔するまでの一部始終をお楽しみください。(2018年6月18日 高12期 山本誓一)
・撮影地:横須賀市内休耕畑
・撮影日:2016年7月14日~8月17日
(写真をクリックすると拡大できます)

◆ 7月14日(木)
卵は巣中に2個、50cm程離れた所に1個、計3個あった。何故、3個抱卵しないのか不思議に思った。左の写真は2015年4月23日此処とは別の場所で撮ったもの。雄が雌に求愛している。

 

◆ 7月26日(火)
7月26日の早朝、孵化した。卵の殻は親鳥によって、既に、何処かへ運ばれていて、見当たらなかった。

 

親は巣から離れた場所に雛を誘導させようとして、ピウピウと呼んだ。雛は転んだりしながら必死に親の元へ急いだ。

 

雛の居場所は、またまた移動した。別のコチドリが近くに飛んできたので、親は威嚇し、飛び立ち、追い払った。昼ごろになると雛の足も急速に発達した。嘴の先端に卵嘴がまだ残っているのが確認できる。

 

◆ 7月28日(木)(孵化2日後)
卵嘴は消滅し、速く走り回るようになる。親鳥は遠くから見守り、危険が迫ると鳴いて雛に知らせる。雛は伏せて動きを止める。

 

◆ 8月3日(水)(孵化8日後)
道を渡って他の畑まで行けるようになり、行動範囲が広くなる。尾羽が長くなり始める。

 

◆ 8月12日(金)(孵化17日後)
ミミズを銜えたが結局は逃がしてしまった。残念。

 

尾羽も伸び、翼も成長して飛翔訓練をしていた。

 

◆ 8月17日(水)(孵化22日後)
羽根も生え揃い、ついに孵化22日後に飛翔。

 

果てしなく広いユーラシアの大空に向かって羽ばたけ!

 

【コチドリ(小千鳥、学名:Charadrius dubius)チドリ目チドリ科チドリ属)】
ユーラシア大陸に広く分布していて、日本には夏鳥として渡来し、九州から北海道で繁殖します。西日本以南では、越冬しているものもいます。河川畔、池沼、水田など内陸の湿地で採餌し、普段は、干潟や砂浜などの海岸へは出てきません。「ピウピウ」といった声を出します。(高25期 廣瀬)
参考:日本の鳥百科

    ▶いのち輝け、コチドリの抱卵から飛翔まで” に対して3件のコメントがあります。

    1. 廣瀬隆夫 より:

      なんとも可愛らしいコチドリの雛の写真。子を思う母鳥の愛、母の言いつけを守って一生懸命生きる雛鳥。そして、巣立ち。生まれて22日で飛翔できるようになるということも初めて知りました。すばらしい写真、ありがとうございました。

      卵を一つだけ別の所に産んだのは、外敵に襲われた時に、二個の卵が助かるように危機管理を考えているのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

    2. 石渡明美 より:

      コチドリのヒナ、可愛いですね(=^_^=)
      遠くから優しく見守りながら、根気よく、
      ピントもバッチリ、ドラマがあって、感動の写真ですね。

      1. 廣瀬隆夫 より:

        子を思う親の気持ちは変わりません。ヒナが、それに応えるように一生懸命生きている姿に心を打たれます。一枚一枚の写真に表情があって素晴らしいと思います。

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