▶「金沢八景をめぐる景観環境史」のご紹介

横須賀中央から京急の快特でひと駅の金沢八景には足を伸ばされる方も多いと思います。その金沢八景について詳しく分析した論文が公開されていましたのでご紹介します(リンクは自由と書かれています)。金沢八景の歴史、地形、人々の生活の変化が体系的にまとめられています。(高25期 廣瀬隆夫)

A4、100ページに及ぶ論文(要旨の方は4ページ)ですが、金沢八景に興味がある方は、下のリンクをクリックして、ぜひ、ご一読ください。

【東京大学学術機関リポジトリ】
東京大学大学院新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 坂手久美子さん 修士論文
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/49211#/.YORDi25UtTZ
(アイテムの中の金沢八景をめぐる景観環境史のDownloadボタンを押してください)

■ 解説と感想
なぜ金沢八景は生まれたのか、なぜ埋め立てられたのか、なぜ開発の対象になったか、そして、なぜ金沢八景は失われたのか、という問いかけから研究が始まっています。
【金沢八景】http://hirose.my.coocan.jp/text/hakkei/index.html

著者は、失われた金沢八景を嘆いてばかりでなく、横濱金澤シティ ガイド協会によって選定された「新金沢八景」を例に取り、残された現在の平潟湾などの金沢八景の中に、どのような景観を人々が見出すかが重要である、と結論付けています。
【新金沢八景】https://yokohama-kanazawakanko.com/course/hakkei/hakkei002/

私は、金沢八景の景色をCGで再現できないか、などと考えていました。でも、それは昔は良かった、と振り返ってばかりの単なる懐古趣味ではないかと、この論文を読んで気付きました。

今の金沢八景にも、夕日に照らされて黄金に輝く夕照橋や八景島の不規則に曲がったジェットコースター、平潟湾の上を走るシーサイドライン、野島から見る平潟湾の夜景、などの美しい景色があります。広重が見たら、きっと浮世絵に描いていたでしょう。

金沢八景が今のように景観を変えていったのは時代の必然であり成るべくしてなった、私たちは前を見て、今の金沢八景の中に新しい美を探求していく必要がある、そんなことを感じました。

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