▶自作パソコンの「ウインドウズ11対応」顛末記

最近パソコンを使っていると、ウインドウズ11(以下「WIN11」と称します)の記事やバージョンアップなどのお知らせが目に付きます。現在私が使っているのは、ウインドウズ10です。所持しているパソコンは6台あります。決して新しいパソコンではなく、少なくとも5年以上前のモデルです。私は、自分ではパソコンオタクではないと思っていますが、今までパソコンは何十台となく作ってきました。パソコン自作の話を書き出すと紙面が軽く終わってしまいますので、このくらいにして続きをお読みください。(高17期 和田 良平)

ブルーレイ3台が付いています

■ パソコンは不完全商品
パソコンを動かすのは、なかなか難しく、自作するのは大変なことですが、作るための工具はプラスドライバー1本しか必要としません。ペンチやニッパー、はたまた半田ごてなどは必要ないのです。また特に計測器もいりません。テスターぐらいはあった方が良いですが、なくても全く問題ありません。しかし、組み立てて、始めて動かすときは、それなりの知識が必要です。すんなりいけば良いのですが、物作りは一筋縄ではいかない面があり、ましてやパソコンは、私の認識では「不完全商品」なので難しいのです。完全商品であれば、冷蔵庫や洗濯機のように購入して最低でも保障期間は何ら問題なく動き、その後も長ければ十年以上働いてくれます。

パソコンは不完全商品ですから、動かし続けるためには時々何らかの対応をしなければなりません。それが、ウインドウズで言えば、マイクロソフトからの「自動更新(Windowsアップデート)」という作業です。この自動更新機能をONにしておくことが求められますが、これはウインドウズで、後日、不具合が見つかったときに、それを直すためのソフトウエアの変更を同意したことです。つまり購入時は、そうした不具合はないと思っていてメーカーは出荷しても、出荷後に見つかると直すための対応を義務づけられていると言っても過言ではありません。これを怠ってインターネットに接続すると、いわゆる「脆弱性」のために、自分のパソコンが攻撃を受けたり、他の見ず知らずのパソコンを攻撃する一員になったり、データが壊れたりする危険があるからです。

空冷です。水冷は水が漏れると大変です

ご存じないかもしれませんが、携帯電話やスマホも大変な量のソフトウエアが入っており、そのソフトに発売後に不具合が発見されることがあります。それをどう対応するかというと、お客が持っている携帯電話のソフトを、お客がわからないうちに修正するという方法があります。「パッチを当てる」といいますが、いわば、破れちゃったズボンやスカートにあて布を当てて分からないようにするのです。携帯電話の通信網を利用して、お客の使っていない時間に修正ソフトを送り込んで、自動的に修正させます。パソコンの自動更新も同じ理屈です。

こうしたことをくり返して年月が経つと、マイクロソフトはウインドウズのバージョンアップという総入れ替えを行います。これが今回のWIN11へのバージョンアップの話です。

 6台のパソコン
私の所持しているパソコンは、6台中5台は自作です。残りの1台は、このホームページで以前書いたノートパソコンで、内部のハードディスクを半導体メモリー(SSD)に自己責任で変えました。それでは、5台ものパソコンを何に使っているのでしょうか?

1台は、現在この記事を書いているパソコンで、文章を書いたり、メールを見たり、ホームページの更新をしたり、ネットオークションをのぞいたり、すべてのことをしています。もう1台は、気象情報のためのパソコンです。気温・湿度・風向・風速・気圧・降水量といった自宅内外の情報を、15分間隔で記録保存しています。何のためか?→趣味です。残りのパソコン3台は、すべて動画編集用です。今までいろいろな演奏会の撮影をして、それをディスクに書き込むために、動画編集をしてきました。このために使っています。10年ぐらい前に最新の1台を作り、7年ぐらい前にさらに最新機を1台作り、2016年に3台目を作りました。3台同時に編集作業することは出来ませんが、出来上がったデータを並行してディスクに書き込めば効率が良いので、そのために使っていました。

■ WIN11に移行できるか?
そして今回のバージョンアップの話です。この最新といっても5年前のパソコンを使って編集していると、WIN11の話が出てきて、編集の途中ではありましたが、気分転換でちょっと見てみました。マイクロソフトが提供しているアプリケーションで、現在のパソコンがバージョンアップに対応できるかどうか、調べられるというのがありますので早速見てみました。その結果は、NGでした。ちょっとびっくりしました。5年前のモデルとはいえ、性能はかなり高いもので、メモリーも32ギガ入れているし、心臓部のCPU(中央演算処理装置)も、インテル社のコアi7で編集時のスピードは、まあまあの性能です。

TPM2.0ボードを挿したところ
TPM2.0ボード

その中で一番気になったのは、TPM2.0に対応していない、という項目でした。これは、セキュリティの機能です。早速マザーボードの取説を見てみると、対応できるようにマザーボード上にコネクタがある、と書いてあります。そのコネクタに接続するものは別売と書いてありました。あーあ、今頃こんな別売品がある訳がないなあと思いながら、ネットで探すとありました。大した値段ではないので「購入する」をクリックして、翌日には手に入れました。3cmぐらいのボードで、パソコンを開けて挿すとすぐ認識して、問題なし。そこで、またWIN11の確認アプリを動かしました。もちろんTPM2.0は、緑色でOKです。しかし、よく見るとまだNG。内容を見るとCPUが対象外だと言うのです。

■ ちょっと古いCPUの切り捨て
インテル社のCPUは、第何世代もモデルチェンジを繰り返していますが、今までのウインドウズのバージョンアップでは、少々古いモデルでも問題が起きることはありませんでした。今回のWIN11対応ではちょっと古いモデルのパソコンは、使えなくしています。実は少々裏ワザというのがあって、対応していないCPUでも、WIN11を導入する手はあります。しかし、パソコンはCPUだけで動くのではなく、マザーボード上に乗っている様々なデバイスが力を合わせて働きますので、一部のデバイスを特殊な裏技で動かしても、その他のデバイスが問題なく動くという保証はありません。ましてや、業務用途で使っている動画編集機で、裏技などもっての他です。

総合的に判断して、我が家のパソコンはすべてWIN11への移行はあきらめました。がっかりです。まあ世の中は、コロナ禍の状況から回復するだろうという希望がありますので、うがった見方ですがパソコンを買い替えていただき、消費を大いに盛り上げようというメーカーサイドの意向もあるのかと考えています。

■ WIN10は、2025年10月まで
WIN10は、サーポート期間が2025年10月ですから、それまでは使い切ろうと考えております。皆様も、3年ぐらい前に購入したパソコンならば、WIN11へのバージョンアップは現在無料でできますので、対応した方がよろしいかと思いますが、それより古い機器をお持ちの場合は、2025年10月までに買い替えることを推奨します。WIN11で動作するかどうかを確認されたい方は、以下のURLをご覧ください。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2106/28/news161.html

    ▶自作パソコンの「ウインドウズ11対応」顛末記” に対して2件のコメントがあります。

    1. 伴野 明 より:

      初めてお便り致します、高22期の伴野明です。廣瀬さんはマック派ですが私はWindowsで通しています。と、いってもWindowsが気に入っているわけではなく、大嫌いです。一時、マックに乗り換える寸前まで行ったのですが、結局そのままで現在に至ります。
      現在、Win PCは20台ぐらいあり、使っているのは10台ぐらいでしょうか。DOSからWin2.11,Win95ぐらいまではPCに夢中だった時期で、毎月PC雑誌を10冊近く買っていました。
      それが強引なWin8からWIN10へのVer.UPの時に完全にブチ切れて、またマックに切り替えようと思いましたが、結局仕事でWin PCとは離れられません。
      和田様がPC好きと知ったのでいろいろお話出来るかもしれません。
      また、私は電気、機械が好きですが、何も教育を受けておらず、全て自己流でやっております。何か機会があったらお教えください、宜しくお願いいたします。

    2. 和田 より:

      はい、伴野さん返事が遅れてすみません。今頃書いています。(^^;)
      コメントについて書こうと思っていても、つい忘れてそれっきりになると言うことが良くあります。ご迷惑をお詫びします。
      気づいたのは、私のエッセイに続きを書こうとして、読み返していたら、あっ!書いていなかったと気づきました。すみません。
      私は、いままで数十台・・・ちょっとオーバーですが、30台ぐらいは作りましたよ。キッカケは会社勤めの時に部下にパソコンオタクがいて、僕も1台ぐらい作ろうかな?と言ったら、簡単だから是非と言われて、それ以後やみつきになりました。その昔は、PC-6001/PC-8001などで遊んでいて、作るという発想はなかったのですが、作り出したらDOSVは面白かったですよ。
      今回の追加エッセイは、ウインドウズ11のパソコンを作ったという話です。上記のマシンが急に電源が入らなくなり、編集作業を控えていて、直すべく取り組みましたが、ダメ。結局ケースはだけは変えず、M/B、CPU、メモリー、グラボ、電源などを買い換えました。
      その顛末が大変だったので、後日書くことにしますよ。よろしくおねがいします。

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