▶小説<虚構の塔>について

1月30日 高22期 伴野 明

小説<虚構の塔>ですが、これはちょっと狙いがあって、ミステリー文学賞に応募したのですが、かすりもせず落選したものです。構想もなしに思いつくまま書き進んで、「あっ、ミステリーの要素を入れなきゃ」なんて、バタバタしながら、なんとか書き終えた代物ですので、出来は悪いです。狙い、というのはこれが自分の第二作目の作品でして、書く前に、自分は、取りあえず小説を書けるようだが、実力はどのくらいだろう? まったく違うテーマで書けるのだろうか、と『腕試し』をしたくなりました。

『腕試し』とは、落語の笑点のように、とんでもなく突飛な『お題』をポンと出されて、指定された期間内に、そのお題に沿った長編小説一作を完成出来るのか? を自分に課すものです。そんな事を考えている時、TVに『東京スカイツリー』の話題が上がっていました。番組の解説によると、「このツリーには五重塔の心柱(しんばしら)のノウハウが取り入れられている」と、うやうやしく説明されています。「はっ」とひらめきました。

「じゃあ、小説の中でこのツリーを倒壊させてみよう」と思ったのです。もちろん『本物を』ではなく、『偽物』の方をです。それが11月の初旬でした。翌年3月末の文学賞締め切りに間に合わなければ『腕試しの敗北』です。翌日から東京スカイツリーに取材に行きました。それから毎日寝る前に2時間、正月の三が日は一日中、作文漬けでした。結果、間に合いました。ですが突貫作業だったので出来は悪いです、しかし自信はつきました。

※内容の一部につきましては、本物のスカイツリーを誹謗しているものではありません。

ちょっとSFが入ったエンターテイメント作品ですが、大きく見れば「ラブストーリー」のつもりで書きました。長編小説なので、やたら長いのと、ミステリー要素が入っていて、途中、謎解きの部分などは、分かりにくいかも知れませんので、適当に流してお読みください。

この小説自体が「可愛い自分の子供」のように思えて、眠らせておくのがもったいないと思い、投稿しました。「記恩ヶ丘の会」の皆さんに読んで頂けたら幸いです。

【小説<虚構の塔>】
https://kiongaoka.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/kyokounotou20230219.pdf

kyokounotou20230219

    ▶小説<虚構の塔>について” に対して1件のコメントがあります。

    1. 高橋揚一(高22期6組大西昭先生学級) より:

      力作ですね。
      ミステリーにはほとんど馴染みありませんが、3日かけて拝読しました。
      30年以上前に『薔薇の名前』を読んで以来です。
      ミステリー文学賞に応募したものの「かすりもせず落選した」ようで「出来は悪い」と謙遜されていますが、出来が悪いとは思えません。
      これだけの知見を交えて矛盾なくストーリーをまとめるのは大変な労力ですね。
      文学賞には多くの作品がエントリーして総合的な視点から審査されるのでしょうから、些末な非を見つられけて、最後まで読んでもらえなかったとしたら残念です。
      3分の2ほどで主人公が交代してどうなるのかと案じましたが、74ページ目からはエキサイティングで一気に読了しました。
      横浜や御殿場が舞台で一度だけ走水海岸が出てきましたが、横須賀での展開があったらもっと親しめたように思えます。
      次からは賞などには関係なくエキサイティングで親しめる作品を期待します。

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