▶同窓会研究「小田原高校同窓会「樫友会」との意見交換会」

小田原高校同窓会「樫友会」のみなさんに同窓会の運営についてお聞きしました。

■ 日時:2020年9月13日(日)12時20分~14時30分
■ 場所:小田原高校南館3階の樫友会室
■ 出席者:
【樫友会】
・樫友会 元会長 瀧口さん(高5期)
・交流委員会 委員長 蛭田さん(高15期)
・広報委員会 委員長 原田さん(高27期)
・史料委員会 委員長 仮野さん(高31期)
【記恩ヶ丘の会】
上田さん(高10期)、和田さん(高17期)、廣瀬(高25期 記録)


(以下、樫友会の発言を(樫)、記恩ヶ丘の会の発言を(記)と表記いたします。)

(記)本日は、お忙しい中、小田原高校と横須賀高校の同窓会関係者による意見交換会にお集まりいただき、ありがとうございました。同窓会の運営につきまして、ご教授をいただきたいと思います。よろしくお願い致します。
(樫)こちらこそ、有意義な情報交換ができれば良いと思っています。ちょうど、9月5日に、校史展示室、教材展示室、図書展示室を統合した「中等教育史料館」のリニューアルが完成したところですので、打ち合わせが終わりましたらご案内致します。

(記)早速ですが、同窓会の組織を教えてください。
(樫)お手元の組織図を御覧ください。役員は、会長、副会長、常任幹事、幹事、委員、校内幹事、会計、会計監査、事務局となっています。会議体は、総会、常任幹事会、運営委員会、委員会からなっています。委員会は、総務委員会、交流委員会、広報委員会、史料委員会、校歌祭委員会があります。

(記)しっかりした組織構成ですね。主体となる会議体はどれですか?
(樫)運営委員会を毎月行っています。メンバーは、会長、副会長、会計、委員会委員長、事務局長、事務局員です。組織としての活動と校史展示室等の管理・運営の2つが同窓会の主な仕事です。

(記)会長の選出は、どのように行っているのですか?
(樫)指名委員会というものを作って選出していますが、副会長から選出されることが多いです。任期は3年ですが、2期で交代することがほとんどです。

(記)同窓会の事務作業はこの部屋でやっているのですか?
(樫)この建物の3階の全フロアを同窓会が使っています。この部屋が事務室兼会議室で、隣に図書展示室や校史展示室があり、同窓会が管理しています。

(記)学校内に事務所を置くに当たって学校からの抵抗はありませんでしたか?
(樫)以前は、校長にお願いして使わせていただくという立場でしたが、正式な契約が必要ではないかという意見があり、2014年からは、神奈川県教育委員会に「教育財産目的外使用許可」の申請をして許可をいただいております。3年毎に許可証の更新をしています。校史展示室等は学校の施設ですが、高校からその管理・運営の委託を受けています。「校史展示室管理運営業務基本協定書」を高校と締結しています。

(記)正式に使用許可を得て使われているのですね。これなら校長が交代してもその都度交渉するという必要はありませんね。経費負担はどうされているのですか?
(樫)電気の使用料金は、同窓会が負担しています。

(記)最近は、会費収入が減っている同窓会が増えていますが、会費収入を維持するために工夫されていることはありますか?
(樫)小田原高校も10数年前に会費収入が落ち込んだことがありました。その時、会費収入を増やすために、同窓会の運営を改善するための特別委員会を立ち上げて真剣に議論しました。

(記)どんな施策で窮地を脱したのでしょうか?
(樫)一つは、離れていった同窓生を呼び戻すことを目的にホームカミングデーという催しを立ち上げたことです。最初は何をしたら良いのか分からず、全国の大学で行われている同様の催しの資料を取り寄せて研究しました。

(記)具体的には、どのようなことを行うのでしょうか?
(樫)簡単に言うと同窓生が主体になった学園祭のようなものです。樫友会の知名度の向上と会員相互の親睦を目的に、樫友会の総会の日に合わせてコンサートや講演会、落語などの演芸、模擬店などを開いて母校に集まってもらう催しです。樫友祭とも呼んでいます。講演は小田高出身の経営者や識者にお願いしています。9時に開会式を行い、16時くらいまでイベントが続きます。同時並行で、10時から総会を行いますが、こちらの出席者はそんなに多くはないです。

(記)これは楽しそうなイベントですね。何人くらい参加されるのでしょうか?
(樫)小田高の古い校舎を壊す前に、ホームカミングデーでキャンパスツアーを企画したのですが、そのときは1000人位の卒業生が集まりました。今は、平均すると600~800人程度です。今年はコロナ禍で中止になってしまい残念でした。



(記)会費の納入方法について教えてください。
(樫)今は、振込用紙を会報に同封して、毎年送っています。コンビニや郵便局のATMで送金できます。銀行の振込口座へ振り込むことも出来ます。手数料は同窓会負担です。

(記)コンビニで送金できるのはありがたいですね。私は近くのコンビニに良く行くので、これが一番です。会費収入を増やすための秘策はありますか?
(樫)60歳以上になった人は、終身会費として会費を一括して払うことができる制度を採用しました。例えば、60歳になったら一括で5万円、年齢が上がるに従って納入額が下がって70歳以上になると2万円です。

(記)会費の前払いをするということですね。終身会費で払う人は多いのですか?
(樫)会報に振込用紙を同封して毎年全員に送っていますので、還暦になったタイミングで払ってくれる人が多いです。毎年払う手間が省けるということが好評の理由だと思います。今、会費収入が安定しているのは、終身会費という納入方法を採用したことが大きいと思います。

(記)その他の施策はありますか?
(樫)これは、長期的な施策ですが、高校の入学式に新入生全員に同窓会「樫友会」の活動を詳しく説明した30ページくらいのA5版の小冊子を作って配っています。

(記)どんな内容ですか?
(樫)様々な分野で活躍している小田高の先輩たちの紹介、同窓会の活動、ホームカミングデー、地域・職域等同窓会の様子、委員会活動、規約、校訓、校歌などです。卒業式でなく新入生に渡しているのは、在学中の3年間に読んでもらって卒業したら同窓会の一員として活動して欲しいという願いからです。手前みそになりますが、同窓会の活動の近況がコンパクトにまとまった良い資料だと思います。

(記)地域・職域等同窓会とは、どのようなものですか?
(樫)樫友会とは別に地域や職場で独自に立ち上げている小規模な同窓会のことです。県庁、市役所、税理士、警察、大手企業などに勤務されている人たちが自主的に運営しています。現在、全国で20以上のこのような同窓会があります。小規模と言っても小田中・小田高東京会などは700人以上の会員がいます。樫友会とそれぞれの同窓会の意見交換は頻繁に行っています。

(記)横須賀高校八期会、横須賀高校三田会、記恩ヶ丘の会のようなものですね。「八幡山」という30ページ以上もある、読み応えのある素晴らしい会報を出されていますが、どのように作られているのですか?
(樫)株式会社サラトという同窓会のサポートを専門に行っている会社に、名簿の管理、会報の発送を任せています。専門の会社に、会報発行の力仕事の部分をまかせることで、私たちは、レイアウトやデザイン、構成を考えたり、記事を書いたりする重要なことに専念できます。発送作業をやってくれるので、広報委員は非常に楽です。

(記)若い人は、FacebookやLINEなどのネットを見る人が多いので、会報をネットに移行するという動きもありますが、このような時代でも紙の会報は必要でしょうか?
(樫)私たちも、経費削減を考えて会報のネット化を考えたことがありましたが、会費をたくさん払ってくれるシニアの方の会員にとっては、会報が、同窓会と同窓生をつなぐ唯一のコミュニケーション手段だということに気づきました。アナログで手間はかかりますが、会報の送付はずっと続けています。

会費を納めた人だけに配れば良いという意見もありましたが、今まで会費を納めていなかった人に払ってもらうことが本来の目的ですから、お金はかかりますが2万人全員に郵送しています。また、会報を送るということは名簿の情報を最新のものにメンテナンスすることでもあるのです。運営会社のサラトの担当者に、ネット化の相談をしたこともありましたが、会報の送付を止めて失敗した同窓会はいくつもあると忠告されました。

(記)幅広いジャンルの記事が掲載されていますが、記事はどのように集めていますか?
(樫)同期会、地域・職域等同窓会、運動部、文化部のOBなどの会を通して、できるだけ広い分野の同窓生に原稿の依頼状を出しています。毎号、投稿してくれる常連の同窓生もいます。単なる情報提供だけでなく、しっかり読める記事を掲載するように心がけています。

(記)会報の郵送は、会費の振り込み用紙を送る手段としても重要ですね。
(樫)振り込み用紙がないとなかなか払ってもらえませんからね。同窓会が作っている印刷物としては、会報以外に、5年に一回、2万人の同窓生の住所などを載せた会員名簿を製本して販売しています。

(記)立派な会員名簿ですね。名簿は同窓生にとってクラス会などを開くときには、たいへん役に立つ情報源だと思いますが、個人情報漏えいは大丈夫ですか?
(樫)名簿を作ったから個人情報漏えいが増えるというものではありません。同窓生が名簿の管理をしっかり行うことで防ぐことができると考えています。小田高でも過去に漏えい事故がありましたが、ホームページで名簿の管理をしっかり行うように注意喚起を常に行っています。名簿のデータは専門の会社が厳重に管理していますので、そこからの漏えいは考えられません。

(記)連絡先を載せたくないという人はいませんか?
(樫)そのような人は、名前だけ載せて住所欄はブランクにしています。会報を送るために必要なので、住所はデータとしては保持しています。最近の若い人は、年齢を知られないように卒業期を載せないで欲しいという人も増えています。

(記)樫友会のホームページも充実していますが、どのように作られていますか?
(樫)全て内製しています。広報委員会の委員の中に専門的なスキルを持った女性がいて、ほとんど彼女が掲載しています。公開する前に記事を評価する組織があり、そこで内容を確認して問題があれば修正してから公開しています。会報も全ページ公開していますが、生徒の氏名などは、黒塗りにして非公開にしています。これも彼女が担当しています。

(記)お聞きすればお聞きするほど素晴らしい運営をされていますね。みなさんが、力を合わせて同窓会を発展させるために楽しんで仕事をしていることが良くわかりました。やはり、組織の力というものは大きいですね。長い歴史の中で培われたものだと思いますが、たくさんの役員や委員の人たちに権限が委譲され、それぞれの分野で責任をもって自律的に活動されているところが素晴らしいと思いました。

2年後の2022年の6月は、吉田庫三校長の没後100年の記念日となります。ぜひ、ご一緒にイベントを企画したいですね。吉田庫三校長の厳しい薫陶を受けた高校として、これからも末永くおつき合いさせていただきたいと思います。これからも、樫友会がますます発展されることをお祈りいたします。

たいへん有意義な情報交換会となりました。樫友会のみなさん、本日は、長時間、ほんとうにありがとうございました。

▶神奈川県立小田原高校訪問記
https://kiongaoka.sakura.ne.jp/blog/2018/10/23/odakou/

▶神奈川県立小田原高校訪問記2
https://kiongaoka.sakura.ne.jp/blog/2020/09/15/odako/

    ▶同窓会研究「小田原高校同窓会「樫友会」との意見交換会」” に対して8件のコメントがあります。

    1. 11期山田茂雄 より:

      小田原高校同窓会樫友会の訪問ご苦労様でした。組織がしっかりしているし、それに増して運営がしっかりされていること素晴らしいですね。3年前までは、朋友会も樫友会と同じように運営していたのですが、ここにきて若手会員を増やすと言って、今までの運営をないがしろにしてきたことが維持会費激減に繋がっていると思います。気がつかないのか、無視しているのか、新しい役員が朋友会の歴史を知らない人が多いので、会長のいいなりになっていることが最大の原因と思います。

      1. 廣瀬隆夫 より:

        私も、カルチャーショックを受けました。組織としての力がすごい、と思いました。会費の納入方法、学校との友好的な関係、ホームカミングデー、地域・職域等同窓会との連携、会報の発行方法、ホームページの運用など学ぶところが多かったです。記恩ヶ丘の会も地域・職域等同窓会の一つと捉えると、私たちの活動も有意義なものだと思えるようになりました。

    2. 石渡 明美 より:

      本当に良く考え抜かれた素晴らしい組織ですね。
      かつての朋友会組織を維持しつつ改革すれば良かったのですね。
      あたたかく迎えていただいて、貴重なお話を伺えて、有意義な訪問でしたね。
      久しぶりにうれしいお話をありがとうございました (=^_^=)

      1. 廣瀬隆夫 より:

        そうですね。みなさん、組織で動いていて、みなさんのベクトルが合っていますね。だから力を発揮できるのだと思います。樫友会に役員の人たちには、本当に親身になって対応していただきました。それぞれの委員な方のお話が尽きないで、昼食もとらずに2時半までお付き合いいただきました。ありがたいことです。やらされている感というものは全くなく、母校を良くしていくためにみんなで頑張ろう、楽しんで同窓会活動をやっていこうという姿勢をヒシヒシと感じました。記恩ヶ丘の会の一員として、大きな勇気をいただきました。

    3. 和田 良平(高17期) より:

      小田原高校とは、従来から校史資料のことで上田さんを軸につながりがあり、私は校歌祭の運営経験から、今回同席頂いた瀧口元会長や蛭田氏との親交があったために実現しました。蛭田氏は落語家「柳家三三」のお父上と言うことで、落語好きな私は気が合いました。小田原駅からすぐ近くなのですが、100段もの階段があり、若いときはいざ知らず、年を取ってくるとかなり堪えた道のりです。横高で言えば、毎日運動場まで登らなければならないという感じでしょうか。(^^;)
       樫友会は、きちんと組織が出来ていて、各委員会がきちんと機能していました。いろいろな事業を進めて行くには、組織が第一で、その上にメンバーのやる気が乗っている。組織の活性化や会費納入世代の分析などをきちんとして、新しいイベントを進めていくことは大変素晴らしいなあと感じました。横高の同窓会として反省しなければならない点を言われた気がしました。
       横高にも「三笑亭小夢」という真打ちがいます。出来るかどうか分かりませんが、今をときめく柳家三三との二人会でも出来たら良いなあと思いながら、100段の坂を下って帰りました。

      1. 廣瀬隆夫 より:

        本当に有意義な意見交換会でしたね。このような人たちとだったら、一緒に同窓会活動をやってたいと思いました。何といってもやる気と情熱を感じました。志が高いですね。吉田松陰の「志を立てて、以て、萬事の源と為す」を実践していると思いました。三笑亭小夢さんと柳家三三さんとの二人会は、ぜひ、実現させたいですね。

    4. 和田 良平(高17期) より:

      小田原高校の同窓会「樫友会」がなかなか凄いのは、会報の「八幡山」を見ると分かります。
      会報に決算数字が公表されております。
              会費納入金額  事務費   会報発行費  資産状況
      2017年度決算   5,732千円  892千円   3,347千円  42,337千円
      2018年度決算   5,824千円  971千円   3,389千円  44,212千円
      会報発行費は、会費納入額の58%に達しています。いかに会報の発行が大事かを表明しています。資産はなんと44百万円。どこぞの十数倍。事務所費用は少なく抑えています。きちんとやっていますね。

      1. 廣瀬隆夫 より:

        予算と財産台帳もHPに公開されていました。
        https://odako.org/about/2020soukai/2020_06yosan
        https://odako.org/about/2020soukai/2020_04zaisan

        実に健全な経営状況ですね。
        校歌祭の予算は、50万円ありました。地域職域同窓会にも参加経費として27万円計上されていました。うらやましいですね。

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