▶横須賀高等学校(全日制)第75回卒業証書授与式レポート

穏やかに晴れ渡った上巳の節句、令和5年3月3日(金)、母校体育館において卒業証書授与式が執り行われました。卒業する高75期生は7クラス269名。私が一昨年母校に非常勤講師として迎えられ、2年次、3年次と続けて2年間にわたり授業を通して縁のできた学年です。(高31期 岡花 弘幸)

入学当初はまだまだ未確認のことが多い新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下、入学式は保護者の参列はなく生徒のみ。そして、そのまま5月まで臨時休業で、普通の高校生活のスタートとは大きく異なりました。

卒業式も保護者参列の人数を制限し、来賓なし、1・2年生もいない、まだマスク姿の様相。開式後、国歌の静聴。わずかに在校生のうちで参列かなった吹奏楽部員の演奏で校歌斉唱。そして担任の呼名の後、クラス代表者が校長から卒業証書を受け取る。この間、クラスごとに曲を選び、他クラスの生徒がBGMとしてピアノ演奏をしてくれていました。

校長からの式辞は、国内外ともに困難な課題を抱える中での必要な力について、エリック・ホッファーの言葉を引いて「学び続ける」ことの重要性を。さらに、AI化が進む中では人間的なスキル、たとえば、深く考える力、チームで解決する力などが求められ、それらを横須賀高校での探究的な学びで培ってきたことを卒業生へ再確認させる力強い激励の言葉でした。

保護者を代表してPTA会長が、『宇宙兄弟』のブライアン・ジェイの名セリフやMr.Childrenの曲の歌詞などを引きながら、卒業生へエールをおくっていました。祝電披露、記念品として体育館用の大型送風機が贈呈されるとの紹介があり、在校生代表の言葉。3年生の先輩方から、上級生としてあるべき姿を学び、それをつなげていくとの決意が語られました。

卒業生代表のことばでは、登校することすら許されずに始まった高校生活、その中で初の学校行事だった文化祭も制限され、2年生の時の体育祭も中止せざるを得ない情勢下、かろうじてダンス・デコレーションの発表のみ。延期に次ぐ延期で1年越しで3年生になってから実施された研修旅行の思い出。制限される中で試行錯誤を繰り返し、前を向いて進んできた3年間の自負が語られていたことが印象的でした。「仰げば尊し」を歌唱し、閉式となりました。

退場する卒業生が担任とハイタッチを交わす姿、はにかんだ笑顔も思い出が詰まっていることを感じさせました。PTAからは卒業記念品として「横高どら焼き」が卒業生に。朋友会からは「証書ホルダ」をご用意いただいたとのこと。新しい朋友が増えました。

    ▶横須賀高等学校(全日制)第75回卒業証書授与式レポート” に対して2件のコメントがあります。

    1. 石渡明美 より:

      岡花先生、また母校で授業ができたなんてうれしいですね。
      写真はなくても生徒たちの表情が浮かんでくるようなレポートですね。
      コロナで世界中が大変な時に高校時代を過ごした卒業生、制限の範囲で精一杯できることを探して頑張ったのでしょうね。その努力が報われますように…❣️

    2. 伴野 明 より:

      高22期 伴野です。
      1970年に卒業して、50年以上が経っています。あの前後の年はイデオロギー的に目立った事件、赤軍派によるよど号ハイジャック事件、三島由紀夫割腹事件などがありました。大学紛争も真っ盛り、「これからどうなるのだろう?」と少しの不安はありましたが、すぐに忘れられ高度経済成長へ……いま国内では、コロナも落ち着き、とりあえず平和で右も左も感じません。しかし国際的には現在進行中のウクライナ戦争があります。50年後の日本、世界は、どうなっているのでしょう。

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